警視庁は24日、サッカー・ワールドカップの公式球であるアディダス『Fevernova』を宣伝する際、渋谷駅近くの公道を無許可で使用して交通の流れを妨げたとして、広告代理店の社員2人を道路交通法違反(道路無許可使用)の疑いで検挙し、書類送検したことを明らかにした。
警察の調べによると、この2人は5月28日の午前8時ごろから午後2時30分ごろにかけ、JR渋谷駅前付近の路上へサッカーボールのオブジェを屋根に備え付けたクルマを無許可で置き、付近を通るバスやタクシーの通行を妨害した疑いが持たれている。
このオブジェはワールドカップの公式球を販売するアディダスが2人の所属する広告代理店に宣伝を依頼したもので、クルマを留め置いた場所から50メートルほど離れた場所にある「渋谷109」の壁面に設置した巨大広告と連動していた。JR渋谷駅から道玄坂方向に歩いた際、巨大広告に描かれた日本代表の三都主アレサンドロ選手が蹴ったボールが、クルマの屋根を直撃したように見えるという、大掛かりなものだったが、警察から道路占有の許可を得ておらず、クルマに関しては違法駐車と同じ扱いになった。
警察の取調べに対して、この2人は「邪魔にならないように何度か移動させており、こうしたクルマを置くことに道路占有許可が必要とは知らなかった」と供述しているという。