新型『アルファード』のサイドビューで特徴的なのが、ホイールアーチ上方のキャラクターラインだ。基準面からいったん凹面になり、それからホイールアーチへ向かって盛り上がっている。
トヨタ自動車でSUV、ミニバン、商用車系のデザインを管轄する第3デザイン部の福市得雄部長は、「ボディ・サイドに表情をつけないと、背が高く見え過ぎてしまう」と語る。
普通なら基準面からそのままフレアが盛り上がるか、後付けのオーバーフェンダーが取り付けられるところだ。いっぽう限られた外寸で室内容量を増やそうと努めるミニバンではボディの“壁”が薄くなる。つまりボディ・パネルに凹凸をつける余地が少ない。
アルファードは凹面=影をクャラクターラインとして用いたことにより、直方体の本体の中から円錐形のホイールアーチフレアがぐっと突き出したように見え、その結果、トレッドの広い安定した走りを印象づける。