デザイン開発においてデザイナーは、具現化していないクルマのイメージを他人に伝えるため(認めてもらうため)に様々な手を使う。絵や実車そっくりのCG、ビデオなどのビジュアルは当たり前。『ist』(イスト)で使われたのは、なんと“香り”。
一般的にクルマのデザイン開発において、デザイナーの提案は、数回の審査を通し、最終的に経営陣による量産指示が出る。その中でデザイナーは、デザインのイメージをより正確に伝えるためビジュアルや、時には音楽をかけてユーザーやクルマの使用シーンを表現する。
istでは、「訴求ユーザーの“行動的なワーキングウーマン”をイメージして、ブルガリの『プール・オム』の香りをインテリア・モックアップに漂わせてデザイン審査に臨んだ」とトヨタ自動車国内企画部の庄司有紀子さんは語る(12日、デザイントーク)。
「どんな香りですか」という司会者の問いに対して、庄司さんは「中性的でクセのないスッキリとした香り」。男性用だが、トヨタ社内でも愛用している女性も多いとか。「私も普段から使用しています」とのことで、「クルマに、こんな残り香を残す女性に乗って欲しい」そうだ。