クライスラーといえば、モーターショーでは「何かやってくれる会社」だ。屋内での新車発表なのに、特設プールに巨大アームに乗せたクルマを落としたり、壁を突き破って登場させたり、報道陣が「今回は何かな?」と楽しみにしてしまう発表シーンを数多く演出してきた。そのクライスラーの、ニューヨークでの出し物は、空飛ぶクルマだった!
遠くから見ると、本物のクルマが宙に浮いているように見える。「『PTクルーザー』が飛んでる!」。が、近寄ると、プロポを持った“達人”があやつるラジコンだとわかる。左右のドアミラーとテールに合計4つの小型プロペラがあり、それで方向を変えて空を自在に飛び回るのだ。
「中身は飛行船のラジコンと同じだよ。ヘリウムガスが入っていて、とても軽いんだ。スピードは遅いけど、みんな驚いてるのがおかしいね。ボクが隠れてしまうと、まるで自動操縦みたいに見えるんだよ」とは、ラジコン係りのコメント。しかし「モーターショー会場の天井には、ライトとか電線だとかがたくさんあるから、たまにぶつかって失敗するんだ」とも。
このクルマの飛行船。たぶん、つぎの東京モーターショー(2002年の商用車ショー)では日本の自動車メーカーもつくるんじゃない?