【新聞ウォッチ】春闘2002---トヨタ「ベアゼロ回答」、ウソ付きではなかった

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気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2002年3月13日付

●旭化成、宮崎・延岡工場で火災、自動車業界に影響も(朝日・13面)

●男子バスケットスーパーリーグ、いすゞ対トヨタあすから決勝、「有終」胸に司令塔激突(朝日・17面)

●ダイムラー社もリコール届け出(朝日・38面)

●米情報誌調査、日本車の信頼性全分野でトップ(東京・9面)

●日産村山工場跡地を真如苑に売却を発表(読売・8面)

●トヨタ、ベアゼロ回答、きょう提示、競争力強化を優先(日経・1面)

ひとくちコメント

きょう13日は今春闘の集中回答日。トヨタ自動車は、経営者側が賃上げ交渉でベースアップゼロを回答する方針を決めた。きょうの日経が1面トップ、毎日など各紙も大きく取り上げている。

この1週間、春闘の新聞報道合戦も凄まじいものがあったが、先週初め、朝日が「トヨタ、ベア容認」と掲載したのは記憶に新しい。その後、日経なども12日付朝刊でも「7000円台の攻防」と、定昇分の6500円を上乗せすることを前提とする記事を飛ばしていた。

一夜明けて日経が「落としどころを探る従来型の春闘交渉が様変わりした」と言い訳すれば、朝日は「交渉が回答日までずれ込むこと自体が異例。組合側は抵抗しており、13日もゼロ回答をのむかどうか」と含みを持たせている。

だが、トヨタの経営陣は「定昇とベアを区別するという概念はない」と語っているように、ベアにこだわっているのは組合側とマスコミだけと言い切る。その意味では最初から「ゼロ回答」の方針を貫くしかなかったわけだ。次はキヤノンのように、総人件費抑制のための「定昇廃止」が待ち構えている。

《福田俊之》

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