警察庁は7日、昨年12月25日に施行した「危険運転致死・致傷罪」の導入後1カ月間の適用状況を明らかにした。立件まで至ったのは17件で、最も多かった事由は「アルコール・薬物」によるものだった。
危険運転致死・致傷罪は、ドライバーの悪質な行為が原因で発生した交通事故に適用するもの。これまでの業務上過失致死・致傷罪で規定されていた「懲役・禁固5年以下または50万円以下の罰金」の罰則を強化、「1年以上15年以下の懲役」にしたことが最大の特徴。
導入後1カ月間に適用された件数は17で、そのうち5件は死亡事故だった。最も多かったのは飲酒や薬物による酩酊が原因で引き起こされた事故によるもので12件。信号無視によるものが4件。過大なスピード違反によるものが1件だった。
警察庁では、ドライバーの悪質な行為が事故原因となる場合には積極的に同法を適用するとしており、このままのペースだと年間200件近い適用数になることは必至の情勢だ。