【マツダ『RX-8』開発物語】数値だけでは語れない性能、素性

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【マツダ『RX-8』開発物語】数値だけでは語れない性能、素性
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『RX-8』開発はいよいよ佳境だ。メカニカル・プロトタイプによるシャシー、ボディ、各種システムのテストは現在、最終フェーズに入っている。年明け早々に新RE(ロータリーエンジン)・レネシスの本番仕様を搭載したフルプロトタイプが完成し、いよいよ「味付け」も含めたテストの段階を迎える。

「絶対性能の高さよりも、人間が操るマシンとしての素直さ、楽しさをねらう。絶対性能なら、ヨー慣性モーメントが低い『RX-7』のほうが高いポテンシャルを持っている。数値的には、全長に対するホイールベース比が大きいRX-8は、RX-7にやや劣る。しかし、スポーツカーとしての素性は数値だけでは語れない」と、開発の指揮を執る片渕昇主査は思いを語る。

操る楽しさがあり、素直な動きのクルマ。口で言うのは簡単だが、実現はたやすいことではない。RX-8の場合、基本的なシャシー性能の追求は『RX-01』の時代から地道に行われてきた。RX-8としての仕様が固まった以降は、シャシーの煮詰めとしては第2ステージに入っている。ただし、サスペンションとパワートレインの最終仕様は決定したばかりで、これからが「クルマ」としての煮詰めの本番である。

走行実験のキーポイントを片渕主査に聞いてみた。「シャシーの基本性能は高いので、あとはエンジンとのバランス。それと、軽量化と油圧系の簡素化のために導入する電動パワーステアリングの味付けと……」。そう、RX-8は電動パワステを採用する。ただし、ステアリング軸側、つまりラック&ピニオン型のピニオン側にアシストをかけるのではなく、受け側であるラックを左右にモーターで平行移動させるというタイプだ。片渕主査は「ピニオン軸アシストのフリクション(抵抗)や応答遅れを嫌い、ラック制御にした」と語る。できるだけ簡単な制御でアシストの「立ち上がり」と「打ち切り」を素直に出すのが目標だ。

もちろん、ほかにも「スロットルの開け/閉めの工夫で、自然なトルクの盛り上がりと、エンジンの吹け下がり(回転の落ち)にする」とか「ブレーキの効き」なども、これからのチューニング項目だ。そして、「周辺技術の進歩を積極的にクルマに取り入れる」というプログラムもあり、たとえば、駆動力が切れないロボット制御MTや、より進んだ電子制御などをバージョン追加することがすでに予定されている。ということは、RX-8は息の長いモデルになると考えていい。

すべてが本番スペックとなったRX-8の最終プロトタイプは、もうじきマツダのテストコースを走り始める。おそらく、セッティングの煮詰めは1年以上にわたって続くことだろう。RX-8の発売は、2003年春から初夏にかけての予定である。
《レスポンス編集部》

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