中国には大小100以上の自動車メーカーがある。北京の政府は「いくら何でも多すぎる。零細メーカーばかりあってもダメだ。国際競争力を備えるには、せいぜい4〜5の大規模集団にまとまるべきだ」と思っている。
この方針は以前からそうで、10年くらい前は三大三小(大型車メーカー3社、小型車メーカー3社)がスローガンだった。これに、軽自動車2社を加えて三大三小二微となり、現在は第10次5カ年計画のなかで「三大集団への集約」をうたっている。ただし、これは対外的な発言で「実際には大グループは5つぐらいあってもいいと考えている」というのが北京の記者たちの話だ。
三大三小のころは、フォルクスワーゲンが三大のうちふたつ(長春、上海)に関係し、残るひとつはシトロエン(神龍)、三小はクライスラー(北京)、ダイハツ(天津)、プジョー(広州)の3社だった。二微はスズキ(長安)とスバル(貴州)。つまり、中国自動車産業の勃興期に深く関わったのはGM、フォード、トヨタといった巨大企業ではなくフォルクスワーゲンやダイハツだったのだ。