21日深夜から22日に明け方にかけて、大型の台風11号は自動車メーカーの主力工場が集中する東海地方をゆっくりとした速度で通過した。昨年の東海豪雨が予想以上の被害を生んだためか、今回は台風の足の遅ささえも利用して各メーカーは避難準備を滞りなく行ったようだ。
東海地方の自動車メーカーといえば、その代表はトヨタ。台風が東海地方に接近して上陸の可能性があり、しかもその速度が遅く、大雨による被害が甚大になる恐れがある危険性が高くなったという情報を受け、全工場を対象にして午後4時から深夜1時までの勤務(通称:2直目)を半分で打ち切り、午後8時以降の操業を全てストップさせた。この措置によって影響が出るのは約6500台分の生産だが、数日間で元のペースに復帰できるという。
ホンダは小型車『フィット』、『シビック』を生産する鈴鹿製作所と、二輪車を生産する浜松製作所で21日午前からの操業をやはり全面的にストップ。名古屋港近くに大江工場を持つ三菱自動車も21日午後3時で全ての操業を打ち切っている。
各社いずれも準備万端整えたが、幸いにも大きな被害はなく、22日午後からは通常ペースでの勤務体制に復帰している。