今の時代に男女の賃金格差はおかしい---交通事故裁判で新判断

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1999年に交通事故で死亡した11歳女児の損害賠償請求で、逸失利益の算定方法をめぐって争いになっていた裁判で、東京高裁は20日、男女の賃金を同一基準で算定した一審判決を支持し、女児側の主張を認める判決を下した。

この訴訟では、事故によって死亡した女児側の遺族が「生存していたと仮定した際、賃金として得られる部分=逸失利益」を、男性基準で算定し、請求を行っていたが、加害者側の損保会社が「女性賃金で計算しないのは不当だ」としていた。

一審の判決では「今の時代、男女間の賃金格差はほとんどなく、安い女性基準で算定する意義がなくなりつつある」として女児側の主張を支持。2100万円の逸失利益を認めていたが、加害者側は「女性賃金基準が定められている以上、それに従う必要がある」として、控訴していた。

今回の判決で東京高裁の近藤崇晴裁判長は「能力の差などを無視して、性別だけで判断するのは差別」と述べ、一審の判決を支持するとともに、「高校卒業か、少なくとも義務教育の修了までは男女同一とすべきだ」という逸失利益についての新しい判断も行っている。

《石田真一》

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