VW『ルポ』の価格は標準仕様149万9000円、コンフォートパッケージ159万9000円となった。フォルクスワーゲンジャパンの梅野勉社長は「戦略的価格」といったが、メルセデスベンツとシェアトップ争いをしているとはいえ、安く大量に売る戦略ではない。
広報部の池畑浩係長は「サイズやエンジン排気量が同クラスの国産車と比べると価格は20万〜30万円高くなります。が、そこは技術力やキュートなデザインといった商品力でカバーできると考えます」と価格設定について説明する。価格以外の付加価値にこだわって、それを価格換算すれば競争力はあるという。
「それに下と比べれば高いですが、上から見る見方もあります」と池畑係長。従来のフォルクスワーゲンジャパンのボトムラインは『ポロ』の175万円だった。梅野社長も「ルポは日本市場でVWにとっては新セグメントになる。これで我々は顧客の裾野を広げる。新規顧客のほか、VW既存ユーザーのセカンドカーとしてもよい」という。
まずは『ルポ』の認知度向上を図り、日本市場におけるVWレインジの拡大、シェア拡大を図るというのが戦略のようだ。そのためのスペシャリティ的な商品企画と価格設定なのだ。ヨーロッパ的ベーシック仕様の日本導入はそれからの話となる。