新型『スカイライン』では4灯式ヘッドライトやドーナツ型のテールランプなど、いままでスカイラインの特徴だったデザイン上のモチーフをまったく継承していない。これはイメージのためというよりも、技術的な要因が大きく影響している。
いわゆる『箱スカ』の時代には、ライトの光量を確保するのにもっとも適したカタチが丸型だった。しかしプロジェクタータイプのライトなど、さまざまな技術が進歩したいまでは、必ずしもヘッドライトが丸型である必要はなくなった。
またドーナツ型テールランプは、トランク開口部の横幅を確保するのが難しく、歴代スカイラインのデザイナー達を悩ませていたという。エクステリア・デザインを担当した、デザイン本部第一プロダクトデザイン部の渡邊誠二デザイナーは、「デザイン段階で北米市場に投入することが決まっており、ドーナツ型のテールランプでは北米の法規にある“斜め45度からの視認性”の確保も困難でした。結果としてドーナツ型のランプを捨てたわけです」という。高輝度LEDを特殊な反射板と組み合わせた新型テールランプは、シーマ、プリメーラに続く新しい日産車らしい個性といえるだろう。