マツダ系ディーラーの「アンフィニ仙台」に勤務していた30代の女性が、職場で男性社員にトイレを覗かれるというセクハラ被害に遭い、それを警察に届け出たところ「勝手に1人で騒いで会社のイメージを悪くした」として退職を強要されたとして、雇用確認と総額1600万円の損害賠償を求めていた裁判で、仙台地裁は会社側に慰謝料など350万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
この事件は1998年1月、当時アンフィニ仙台に勤務していた原告の女性が店内のトイレに入ったところ、それを覗いている男性社員がいたため、店長やディーラーの幹部に訴えていた。その場で「社内のことだから誰にも言わないように」と口止めされたため、それでは何の解決にならないと思い、男性社員を警察に告発した。ところが会社は「たいしたことではないのに、一人で騒いで会社のイメージを悪くした」と、この女性社員を叱責。責任を取って退職するように求め続け、結局この女性は4月にやむなく同社を退職するはめになった。
裁判長は判決で「今回のケースが任意退職であり、不当解雇とは言えない」としながらも、「会社側の不適切な対応が重なって、原告が精神的苦痛を覚え、退職するに至った」と認定。会社に慰謝料の支払いを命じた。