増岡は、今回のラリーで一番つらかったことは「やはり20日の出来事だった。人間を信用出来なくなるような気持ちだった」という。シュレッサーとセルビアが、規定順位より早く出発、セルビアが増岡をブロックしたのだ。増岡が総合1位、僅差でシュレッサーが2位、セルビアはシュレッサーのチームメイトという関係だ。
「ペナルティがあっても前に出られる。ペナルティを受ければいいんだ、とするのはいいことではない。今まで誰もやらなかったのは、そういうことをするとラリーそのものが成り立たなくなると皆が知っているからだ」と増岡はいう。
増岡はセルビアを抜くとき左後輪を傷め、その結果順位を落とす。「20日のコースは抜くところがなかった。やっと草原に出たので仕掛けたとき、切り株に気づいた。避けたのだが、後輪があたってしまった」
「ホコリをかぶり続けて負けるより勝負を仕掛けた。その結果としてのトラブルは私自身としては仕方がないと思う。ずっとトップで来たので総合2位は残念だが、思い切って走ったことには満足している」と泣かせる。
「プレッシャーを跳ねのけて走ってきた。自分としては一気に3段階上ったように思う。自分はもっと弱いかと思っていたが、そうではないという自信もついた」