東海地方を襲った豪雨がトヨタ自動車の生産にも大きなダメージを与えた。工場への浸水や部品工場の稼働停止など影響により、トヨタが直轄する国内全15工場(別法人の北海道、東北、九州を含む)のうち、北海道と貞宝工場(愛知県豊田市)を除く13工場が、12日午後からの操業を停止した。影響規模は1万台にもおよぶという。自動車業界ではこのほか、日産自動車系の愛知機械工業などでも生産がストップした。
トヨタの生産は基本的に連続2直体制。12日の6時30分からの1直勤務は、通常通り稼働したものの、13工場では同日16時15分からの2直勤務が全面停止となった。これだけの規模で生産がストップしたのは、1995年1月の阪神淡路大震災以来だという。
トヨタの生産方式は、在庫を極力絞り込んだ効率的な「かんばん方式」が中心。このため、協力部品メーカーの稼働がストップすると、必然的に車両生産も停止してしまう。大規模な自然災害の直撃を食うと、かんばん方式による効率化がかえって仇となるという教訓を残した格好だ。