暴走族の暴走行為をあおったり、それを見物するために集まる集団を「期待族」というが、この期待族に対して、全国で初めて法の網がかけられることになりそうだ。
兵庫県姫路市は28日、期待族への「迷惑防止条令」の適用を行うことになった。9月4日の市議会で是非が問われるが、採用されるのはほぼ間違いない情勢だといわれている。期待族への条令適用は全国でも初のケースとなり、今後は追随する自治体も増えてくるものと思われる。適用となるのは、街を走り抜ける暴走族に対して、期待族が「声援を上げて暴走をあおったりする」ことや、あるいは「マスクやタオルなどで顔を隠し、一般人に不安感を与える」行為など、多岐に及ぶ。
姫路市が条令の適用を決めた背景には、今年6月に行われた祭の際、暴徒と化した暴走族や期待族が三夜連続で警官隊と衝突。機動隊まで出動するという騒ぎに発展したことが発端。学識経験者や弁護士、警察官などと対応策を検討してきたが、現行の法律では取り締まれないために、今回の市条令の制定となった。
同市の安全安心推進課は「市条例案は期待族対策に主眼を置いており、県の迷防条例とは重ならない内容になっている」としており、順調に進めば今年の秋から適用されるという。