トリノといえばフィアットの本拠地。一時期のトリノ・モーターショーはフィアットが目立ちすぎて他のメーカーから嫌われていたぐらいだったのに、今回はなぜかおとなしい。
スタンドの中央には黄色い塗装の各種モデルを並べ、スタッフもお揃いの黄色いポロシャツを着て、雰囲気は明るかった。しかし中央のターンテーブルに乗っているのは『プントWRC』。フィアットはスポーツカー・メーカーではないし、今シーズンのWRCでばりばりに活躍しているモデルでもないので訴求力は弱い。ターンテーブルのもうひとつにはすでに各地のショーを巡業済みの『エコベーシック』スタディ。
またフィアットは過去何回か自社モデルをベースに、カロッツェリア間でコンセプトカー・コンペを開催しており、好評だったが、前回は学生作品の後援で終わっていた。今回はそのデザインコンペの復活が期待されていたのだが、それもなかった。
フィアットは経営不振なのか? GMと提携したのは生き残りのためで、条件面でもGMが有利だとはいえ経営不振の結果とはいえない。もし不振だとしても“ホームゲーム”である。「東京モーターショーはいいねえ」という言葉が、世界各地のショーをウォッチングしているジャーナリストやデザイナーの口から聞かれた。