カー・オブ・ザ・センチュリーの部門賞、デザイナー・オブ・ザ・センチュリーに選ばれたジョルジェット・ジウジアーロ。“マエストロ”が率いるデザイン会社は、自動車の設計・デザイン会社「イタルデザイン」と、自動車以外のプロダクトをデザインする「ジウジアーロ・デザイン」の2社があったが、昨年から1社に統合され、「イタルデザイン・ジウジア−ロ」社となった。
スタイリングと技術設計との境界が曖昧になってきた、というより表裏一体になってきた今、古くからのカロッツェリアはデザインハウスから技術開発会社に変身しつつある(ある意味で自動車創成期に戻ったともいえる)。
そんなトレンドを象徴したようなショーカーが『トゥアレグ』だ。頑丈な車体構造がむき出しで、機能性の固まりのような外観だ。マエストロ自らボディを蹴っとばしていた。オープンだから空調はない、ナビもない、それどころか複雑なハイテク・エレクトロはいっさいない。自動車としての基本機能だけを備えたオフローダーだ。
エンジンはGM製5358cc、キャブレ−タ−仕様。構造がシンプルで故障が少ない、壊れても人力でなおせる、というのはオフローダーの原点とも言える。