【これが『Opa』だ! Vol. 4】研究プロジェクトから量産へ、さらにさらに……

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『オーパ』の開発は1997年にスタート。研究プロジェクトが発足され、開発は進められた。当初はあくまでも研究プロジェクトであったため、そのことがむしろ既存のクルマに縛られない、ニュージャンルの誕生につながった、と開発担当のトヨタ自動車第2開発センター、堀重之主査はいう。

「研究からなんとか正式な開発プロジェクトにしようと必死になった反面、こんな機会は少ないし、デザインを重視して好き勝手にやってやれっと(笑)。結局、担当デザイナーが描いた、初期デザインスケッチがほぼ実車になったといえます」

通常はデザインスケッチが、エンジニアリングや営業部門などからの横槍で修正され、開発段階から実車になってみると、ほとんど原型をとどめていないことが往々にしてある。その点、オーパは「デザイナーが自分の絵を通してしまった」(堀氏)、トヨタにしてはとても稀有な1台だったようだ。

「デザイナーからいわせると、今回のスタイリングをキメるポイントがいくつかあるんです。ロングホイールベースに、ショートオーバーハング、ピラーが前に出ているといったことなんですが、こうしたデザイナーが欲しがるものは全部あげたんですよ」

しかし、エンジニアリングからの反発も少なくなかった。「ピラーが前に出れば、必然的にエンジンルームに被さってくる。たとえばワイパー部分などが取り付けにくいという声が生産部門からありました。それでなくとも、デザインが回ってくると工場は大反対するもんですが、ね」 それでも初志貫徹できたのは、デザインのオリジナリティと斬新さが社内でも認められたおかげという。

オーパのウリはニューパッケージにある。だが、スタイリングは初代ゴルフが築いた5ドア・ハッチバックを現代によみがえらせたようにも見受けられる。リ・デザインのアプローチにも近いといえるのではないか。「そうですねぇ。ウチの役員にもいろいろ聞かれるんですけど、誰も明確に答えられないですよ。世の中にないパッケージだから。むしろ、このクルマでオーパ・ジャンルでもできればいいのですが」

新しいクルマづくりを模索するために発足された研究プロジェクトから生まれたオ ーパは、新しいトヨタの萌芽である。「まだ出てきますよ。いっぱい」と堀氏。なにやら期待できそうなのである。

《高木啓》

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