【これが『Opa』だ! Vol. 2】トヨタ自慢のスーパーCVT、『RAV4』で見送られた理由

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トヨタは『オーパ』において、ついに同社初のCVT、「スーパーCVT」を市販化した。これはトルクコンバーターを備えたタイプで、金属ベルトのみCVTのパイオニアであるオランダ・ファンドールネ社製を採用しているものの、そのほかの部分はすべてトヨタ自動車自製だという。先の『RAV4』で初登場した、トヨタの新世代ガソリン直噴エンジン「1AZ-FSE型」(2.0リットル)との組み合わせとなっている。

「なぜガソリン直噴エンジンとCVTを組み合わせたかというと、この2つは相性がいいからなんです。CVTは無段変速ですから、通常のATよりも、ガソリン直噴エンジンの成層燃焼状態(直噴エンジンがもっとも効率よく燃焼している状態)をより広い範囲で維持できるんです」と説明してくれたのは、トヨタ自動車第4開発センター・第2ドライブトレーン技術部・第2開発室の本多 敦さんだ。

とくにスーパーCVTでは、エンジンとCVTの両方をひじょうに細かく制御する“総合制御”の技術に、他社製品に対するアドバンテージがあるという。「コンピューターがつねに“いま必要なトルク”を計算し、それを出すようにエンジンに指示すると同時に、CVTにも適切な変速比への変更を指示し続けているんです。こうした総合性御によって、成層燃焼状態を、より広い状況で維持することができているんです」

「さらにスーパーCVTでは、変速比幅(1速のギア比をトップのギア比で割った数値)が5.598と広いのが特徴なんですね。つまり、もともとCVTがカバーするギア・レンジは通常のATよりも広いんですが、スーパーCVTはそれがさらに広いんです。それで、より成層燃焼を維持しやすくなっているんです」と本多さんはいう。

そのうえ、スーパーCVTでは、プーリーを押しつける油圧システム(最大時にはエンジン出力の10%をも使用するそうだ)の効率のよさもジマンなのだそうだ。それでいて重量・コストとも「従来のATとほとんどかわりない」、さらに6速マニュアルシフトも可能な「ステアシフトマチック」(i Sパッケージ)まで用意するという優等生ぶり。当然、今後登場するトヨタ車にも搭載されてゆくようである。それにしても、なぜスーパーCVTは『RAV4』ではなく、『オーパ』でお披露目となったのか? 新技術の出し惜しみ?

「いえ、そういうわけではなくて(笑)、私どもには効率のよいATもありますから、あくまでも車の性格でどちらを搭載するか決めているんです。それに『オーパ』のばあいは“新ジャンルのクルマ”である理由もありますし」と本多さん。はっきりとはおっしゃらなかったですが、どうやら直4の2.4リットルあたりまでは応用可能のようだ。

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