エレクトロニクスショー'99(10月5日〜9日)において日産自動車は、ITS実験車“ITS CAR2001-i ”の実車を展示した。2001-iITSのなかでもASVは(Advanced Safety Vehicle=先進安全自動車)を具現化したもので、 障害物警報システムなどのITSにおけるクルマサイドからのアプローチである。 バンパーの角部には障害物を検知するコーナーセンサーとコーナーモニターが埋め込まれているほか、ルームミラーに正面の様子を記録するCCDカメラが埋め込まれている。 加えて、ドライブレコーダーも搭載。撮影端末がフロントミラー前方に備え付けられ、約10分程度の動画を上書きしながら記録し続ける。 より正確な事故解析へと期待される。
車内に目をうつすと、大きなセンターコンソールがとびこんでくる。 AV機能やカーナビのほか、前述のASV機能の操作をひとつのセンターコンソールに統合しようというもの。ヒューマン・インターフェイスもボタンやジョグダイアルの大型化など、なれればブラインドタッチが可能な使いやすさを追求。のみならず、音声コマンドによる操作にも対応。例えばAピラー部に内蔵されたマイクに「えふえむ」と呼び掛けると、FMラジオがonになるという具合。ドライバーが安全なドライブに集中できるよう配慮がなされているのだ。 また同車は、日産の情報提供サービス、コンパス・リンクにも対応している。 コンパス・リンクをひとことで例えるなら、カーナビにi-mode的機能を付加したといったところか。内蔵携帯電話回線を通じて、サービスセンターのオペレーターに 「フレンチレストランを探して欲しい」といった条件をリクエストすると、データベースからそれに見合った情報を提供してくれるとともに、カーナビの目的地設定も遠隔操作してくれる。カーナビ操作のハンドフリー化のみならず、この手のハイテク機器が苦手な年輩ドライバーの利便性も高まることだろう。
この2001-iは10月22日から一般公開の東京モーターショーに出展される予定だ。 東京モーターショーに足をはこばれるかたは、じかに触れてみるといいだろう。 |