新型『ラウム』にはトヨタ・ユニバーサルデザインが実際に目で見てわかる部分が多く存在する。ポイントとなったパノラマオープンドアとタンブルシートという組み合わせの中にもそれが見て取れる。
「目標というか、念頭にあったのはBMWの楽しさです。でもBMWは後輪駆動。安心感という点ではさほど見るべきところはない。レガシィはBMWの楽しさに、スバルならではの4WDがもたらす安心感があります」と商品企画本部の森主査は語る。
フロント=ストラット/リヤ=マルチリンクのサスペンション形式こそ先代から変わっていないものの、パーツはすべて新規に起こした完全新開発。熟成を重ねることを良しとするスバルらしく、今回も見た目より中身で勝負する方針を貫いていた。
新型『レガシィ』が目指したものは走りと機能と美しさの融合。「存在として美しいか、否か。」というワゴンのキャンペーンフレーズからも、そのデザインに対する思い入れと自信がうかがえる。 スバルがデザイン改革を行った後、初のモデルがレガシィだ。これまでコンサバティブと評されることが多かったレガシィが挑戦的に生まれ変わった。
3ナンバー化は認められたものの、「必要以上の拡大は許さない」ということで、左右ともに指1本分相当(合計で35mm)の全幅拡大によって3ナンバー化された新型『レガシイ』だが、拡大した効果は軽量化と強度アップ、安定性の向上、最小回転半径の縮小などに効果が現れている。
「3ナンバーに“逃げた”のではなく、新たな可能性を追求するために“枠を取り払った”と考えていただきたい。車体の大幅な軽量化も実は3ナンバーに拡大するから実現可能となったものです」と清水一良・プロジェクトゼネラルマネージャーは語る。
新型『レガシィ』を先代と比較した場合、最も変わったという点はどこなのか。スバル商品企画本部で新型レガシィの開発責任者を担当した清水一良・プロジェクトゼネラルマネージャーは「軽量化です。これはもうとことんまでやりました」と説明する。
23日に都内で行われた新型『レガシィ』発表会は来場者のターゲットを変えつつ、3時間おきに開かれた。それだけでも「スバルの本気」というものが垣間見えるが、驚くことにその全てで来場者を竹中恭二社長が出迎えるという光景が見られた。
『レガシィ』は、2代目・3代目とツインターボを採用してきたが、4代目となる新型では、ついにシングルターボ化された。「ツインターボは、タービンが切り替わるところでどうしてもトルクの谷がありました」と打ち明けるのは、パワーユニット研究実験第一部の川平出主査。
富士重工業と日本信販は、新型スバル『レガシィ』発売に合わせてSUBARUカード/ニューレガシィデビュー記念デザインカードを発行、23日から9月30日までに期間限定で会員を募集する。富士重は日本信販と1994年に提携、「SUBARUカード」を発行しており、会員は現在6万人。