モーターにアシストされた瞬発力ですいっと前に出る。見た目から感じた重量感は微塵もなく、ひょいひょいとした身のこなし。このギャップにまず萌える。
一般的にアルピナは、BMWをベースにチューニングを施したクルマとされるが、内容は熟成されている。アルピナの考え方によると、BMWは素材を提供するサプライヤー(下請メーカー)に位置付けられる。アルピナはBMWを仕入れ、手を加えて完成させるわけだ。
まっすぐ走っているときは、中央部分が少しゆるい感じがするものの、コーナーの先へと舵をきると、狙ったように行きたい走行ラインへと吸い付くように向かっていく。このギャップに萌え萌えである。
◆「小細工なし」のV6ガソリン&ディーゼル
◆レンジローバーとは違う発想のボンネット形状
◆山中湖までの往復300km、ドライブモードの違いは明確
◆スーパーカーでも軽自動車でも個性的なクルマは楽しい
コンパクトカーは、優れた走行安定性を確保しながら価格は割安に抑える必要があるため、乗り心地が悪化しやすい。路上の段差を乗り越えた時の突き上げ感は抑えても、細かなデコボコを乗員に伝えやすい。
今は世界的にSUVの人気が高く、日本国内の売れ行きも好調だ。15年ほど前までは、国内の新車販売台数に占めるSUVの比率は約5%だったが、今は約15%まで増えた。軽自動車を除いた小型/普通乗用車だけで見ると、SUVは25%前後に達する。
最近はSUVが人気だが、そのラインナップの多くは、日本車であれば『ハリアー』や『ヴェゼル』のような都会的な車種だ。このタイプが急増したことで、SUVの需要に、原点回帰の傾向が見られるようになった。
最近はスポーツカーの売れ行きが下がり、車種の数も激減した。そのために新型になった『BRZ』と『GR 86』の話題性は高い。注目されるのは、BRZとGR 86の操舵感覚や走行安定性の違いが、先代型以上に際立っていることだ。
プジョー『508 ハイブリッド』に続けて試乗したのは、同じPSAのシトロエン『C5エアクロスSUV プラグインハイブリッド』である。この2台、実はパワートレーンを共有したPHEVだ。
トヨタ『GR 86』とスバル『BRZ』の違いは、視点の置き方によって異なる。居住性まで含めると、ほぼ同じクルマだが、操舵感や走行安定性に絞ると差が生じる。そこでGR 86について、カーブを曲がる時の操舵感や走行安定性について考えてみたい。