フランスの自動車部品大手ヴァレオは10月29日、ADAS(先進運転支援システム)と自動運転の最新動向について説明会を開催した。高度な運転支援の普及を見据え、駐車の自動化やセンサーの進化、コスト低減に取り組む同社の技術と戦略を探った。
◆高度化するレベル2でも運転の監視は必要
この日、説明会に登壇したのは、ヴァレオでカスタマー・チーフエンジニアを務める沼田祐也氏。沼田氏は、高齢化や公共交通の縮小が進む日本では、交通事故を減らすとともに、移動手段を確保する技術としても期待が高まっているとし、ドライバーが監視する高度な運転支援を広く普及させながら、駐車を含めた自動運転へ発展させる方向性を示した。
その説明で押さえておくべきは、「運転支援」と「自動運転」の違いである。自動運転のレベルは米国自動車技術協会(SAE)によって、レベル0~レベル5までの6段階に分類され、運転の主導権と責任が「人」から「システム」へどのように移行するかで定義されている。

この中でレベル2は、システムがアクセルやブレーキ、ハンドルの操作を組み合わせることで一定の自動化により運転を支援するが、周囲を監視し、安全を確認する役割はドライバーにある。条件によってハンドルから手を離せても、前方を見なくてよいわけではない。
一方、レベル3では、定められた条件内でシステムが運転を担い、ドライバーは常時の周辺監視から解放される。ただし、システムから要請されれば運転を直ちに引き継ぐ必要がある。さらにレベル4になると、その条件内では運転の継続が難しくなった場合の対応までシステムが担うこととなる。

そんな中で今回、とくに重点的に説明されたのが、「レベル2+」「レベル2++」についてだ。これらはSAEによる正式な区分ではなく、高度なレベル2の機能を説明するための呼称であり、ヴァレオとしては高速道路でナビゲーションの経路に沿って走行を支援するものをレベル2+、一般道まで対象を広げるものをレベル2++として紹介した。
こうした機能はテスラが最初に実装した「NOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)」として知られるようになり、近年は中国メーカーをはじめ国内外の多くの自動車に広がり始めている状況にある。具体的には、目的地までの経路に応じて車線変更なども支援するが、ドライバーによる監視が前提である点はレベル2と変わらない。手放し走行も可能だが、前方はドライバーが視認しているかなどをドライバーモニタリングで確認することが求められる。
◆走行と駐車をつなぐことが自動化の課題
自動運転というと、高速道路や市街地を走る場面に目が向きがちだ。しかし、出発地から目的地までの移動を自動化するには、駐車場から出て、到着先で駐車するところまでつなぐ必要がある。
そこに着目したヴァレオは、低速で行う駐車にも独自の難しさがあると説明する。道路を走るときに比べ、ハンドルを左右へ大きく切り、前進と後退を繰り返しながら、車体を狭い空間へ正確に収めなければならない。ここでは周囲の障害物との距離も近く、繊細な認識と制御が求められるというわけだ。









