耐久レース「黄金時代」へ…FIAとACO、WECを2037年末まで10年延長で合意

2027年WECに参戦するマクラーレンのマシン『MCL-HY』
  • 2027年WECに参戦するマクラーレンのマシン『MCL-HY』

国際自動車連盟(FIA)とフランス西部自動車クラブ(ACO)は、FIA世界耐久選手権(FIA WEC)に関する重要な合意に達したと発表した。今回の合意により、FIA WECは今後10年間にわたる成長への基盤を確保するとしている。

新たな契約期間は、現行契約が満了する2027年末から2037年末まで。今回は2025年7月以降にFIAが締結した4件目の長期的なFIA世界選手権関連合意となる。

◆規則策定・監督体制を強化

延長されたパートナーシップのもとでは、すべての競技規則に関するプロセスがFIAワーキンググループおよびFIA耐久委員会によって監督され、最終的にはFIA世界モータースポーツ評議会の承認が必要となる。

ホモロゲーション(公認)プロセスも簡素化され、ハイパーカークラスのすべてのマシンについてFIAとACOが共同で監督する体制となる。

また、パルクフェルメ、表彰台、セーフティカーをはじめとする主要エリアへのFIAロゴ掲出や、テレビ放送コンテンツにおけるFIAブランドの露出も大幅に強化される。

◆観客数8%増、44%が34歳以下

FIA WECは現在、「黄金時代」を迎えているとされる。2026年シーズンのサーキット観客数は現時点で8%増加しており、世界中で数百万人のファンが選手権を追いかけている。

今年の観客の44%が34歳以下で、40%がFIA WECを初めて現地観戦するファンだ。次世代の耐久レースファンを着実に育てているという。

現在、世界を代表する自動車メーカー8社がハイパーカークラスに参戦しており、2024年に加わったLMGT3クラスを含めると合計14ブランドがグリッドに並ぶ。2027年にはフォードとマクラーレンがハイパーカークラスに新たに参戦する予定だ。

◆2030年から共通技術規定を導入

今回の合意では、FIA WECと北米のIMSAの双方で参戦するハイパーカーについて、より統一された技術的枠組みを2030年から導入することも盛り込まれた。自動車メーカーが世界各地の耐久レースに参戦する際のコスト効率を高め、参戦の可能性を広げることが期待される。

さらに、競技における水素パワートレインの開発を推進するための枠組みも構築し、より持続可能なモビリティ社会の実現に向けた道筋を示す。

FIA会長のモハメド・ベン・スレイエム氏は「これは未来のために結ばれた合意であり、まさに“世紀の契約”ともいえるものだ。120年以上にわたるFIAとACOの協力関係をさらに強固なものとし、ファン、ドライバー、チーム、そして自動車メーカーに真の利益をもたらす、過去最高の成長を遂げる10年間に向けて選手権を新たなステージへと導くものだ」と述べた。

ACO会長のピエール・フィヨン氏は「このパートナーシップは、信頼、共通の目標、そして耐久レースの発展に対する揺るぎない共通の決意によって築かれてきた。今回の素晴らしい協力関係の次なる章を、ともに刻んでいくことを楽しみにしている」とコメントした。

《レスポンス編集部》

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