2026年9月3日、警察庁は、75歳以上で、かつ、過去3年間のあいだに一定の違反歴のある運転者に対して義務付けている「運転技能検査」を厳格化すると発表した。運転技能検査は、2022年5月から始まったいわゆる「試験」だ。これに受からなければ高齢者講習に進めない。まず、年齢によって異なる高齢者講習制度について整理しよう。
◆高齢者講習制度とは
70歳以上:高齢者講習を受ける。内容は、(1)講義=座学、(2)運転適性検査、(3)実車を使っての実技指導。
75歳:高齢者講習の前に、認知機能検査を受ける。そして、75歳以上で、かつ、過去3年間に違反歴のある人は、運転技能検査をパスしないと認知機能検査以降に進めない。
これまで高齢者が事故を起こすのは認知機能の低下によるものだと考えられており、その対策が強化されていた。しかし、精査したところ、死亡事故を起こした高齢者の約6割は、認知機能に問題がなかったのである。つまり、脳の問題ではなく、体がちゃんと動かせていないということだ。
そこで2002年5月から運転する技能があるかどうかを調べる運転技能検査が追加されたのである。ただ、75歳以上の全員ではなく、前述のとおり、速度超過、信号無視、通行区分違反などの違反歴があった人だけ。こうした違反をする人は、事故を起こしやすいことが判明しているからである。
ところが、運転技能検査が始まってから4年が経過し警察庁が効果評価をしたところ、運転技能検査を受けた人のほうが、受けていない人の2倍以上、交通事故を起こしていることが判明した。運転技能検査は、落ちても期限前であれば繰り返しトライできることもあるが、落とすべき人を落とし切れていないともいえる。運転技能検査の内容を見直すのは当然だろう。
◆運転技能検査の見直しで変更された3つのポイント
2026年9月3日に、発表された変更点は以下の3つ。
(1)方向転換を追加
(2)一時不停止(大)を、一発不合格に。
(3)安全不確認を追加
(1)は、高齢者の脂肪事故はアクセルとブレーキの踏み間違えによるものが多い。方向転換はギアの入れ替えやアクセル&ブレーキペダルを細かく操作するため、それら動作をチェックし、正しく行えているかを確認する。
(2)は、一時停止線を大幅に超えており、標識を見落としたりして一時停止を行っていないことも含まれる。
(3)は、停止線がなくても、ちゃんと左右確認をして優先道路等に出ているかを見るものである。
(2)と(3)は、死亡重大事故に直結する行為だ。


