西武鉄道と日立製作所は、西武鉄道の20000系電車全144両をリニューアルすると発表した。
リニューアル工事は製造元である日立の笠戸事業所(山口県下松市)で施工し、2028年から順次運行を開始する予定だ。主要機器を更新するほか、エクステリアとインテリアのデザインを刷新する。
20000系は「環境と人にやさしい」をテーマに開発され、2000年2月にデビューした。今回、さらなる安全性の向上と乗り心地、利便性の改善を目的に、10両編成8本と8両編成8本の計144両をリニューアルする。
特徴となるのが、製造元の日立への「里帰り」だ。施工する笠戸事業所は、新幹線やモノレールなどを開発・設計・製造する鉄道車両製造拠点。西武鉄道の歴代特急車両をすべて製造したほか、多くの主力車両を手がけてきた。
同事業所で製造した車両が里帰りしてリニューアルを受けるのは初めてという。今回のプロジェクトに合わせ、改造専用設備を用意するなど施工体制を強化。製造時の設計や製造に関する知見を活用し、工期短縮と品質向上の両立を図るそうだ。
リニューアルでは、SIV(静止形インバーター)装置や空調装置、モニター装置などの主要機器を更新する。放送装置や非常通報装置などの補助機器も更新し、安全性や快適性を高める。
車内は、製造時のデザインコンセプト「シンプル&クリーン」を継承しながら刷新する。床面を木目調とし、座席には濃いブルーのモケットを採用。袖仕切りを大型化するほか、全車両にフリースペースを設け、多様な利用者のニーズに対応する。一方、荷棚など現在も使用できる部分は残す。
外観も変更する。車両正面の波板部分をシルバーとし、側面にはストライプと西武鉄道のコーポレートカラーを取り入れる。発表資料のイメージでは、20000系の基本的なスタイルを残しながら、前面と側面の印象を改めた姿が示されている。
20000系はアルミニウム合金製車体による軽量化や電力回生ブレーキを採用。西武鉄道の通勤車両では初めてワンハンドル・マスコンとLEDによる車外の種別・行先表示器を導入した車両でもある。
日立は今回の更新を、既存車両を長期にわたって安全・快適に活用するための「ライフサイクル価値」向上につなげる考えだ。西武鉄道も新造車の導入や既存車の設備更新、他社から譲り受けた「サステナ車両」の活用などと合わせ、車両更新を進めている。





