BYDを筆頭に、鴻海、CHERY、ZEEKRなど、各社戦略の違いや濃淡はあるが、中国資本の日本市場への参入が目立つようになってきた。「人とくるまのテクノロジー展2026 横浜」で、DESAY SVというADAS、コックピット回りのシステムに強いサプライヤーを取材した。
◆デジタルコックピット市場への参入
DESAY SVが注力するのは、コックピット技術(インテリジェントキャビン)、ADAS系のドライビング制御技術(インテリジェントドライビング)、コネクテッド技術の3分野。
インテリジェントキャビン技術は、各種インテリジェントディスプレイやメータクラスタ、HUDなど基本要素技術と、それらを統合制御するドメインコントローラのプラットフォームによって構成される。マルチファンクションのワイドディスプレイやピラーツーピラーディスプレイ、AR対応のHUDなどが主なソリューションだ。

インテリジェントドライビングは、ミリ波レーダーとカメラセンサーをベースとしたADAS制御ECUやAIプラットフォーム、通信モジュールとデータロガーといったシステムコンポーネント。ハードウェアから制御ソフトウェアまでOEMの仕様に合わせた設計に対応する。
コネクテッド技術では、Blue Whale(ブルー・ホエール)というAIモデルを利用した開発エコシステムをベースに、車載AIエージェントの実装、NEV、SDVに関する測定ツールチェーン、ミドルウェア開発などをサポートする。
会場では、これら技術ショーケースとして「EA01U」というAIキャビンシステムを展示していた。このプラットフォームはQualcomm8397をベースとしたSoC群により、次世代コックピットに必要な機能をほとんど実現する。デモはコックピットまわりのディスプレイ関連のアプリケーションやサービスがメインだが、必要ならばADAS機能との連携も可能だ。
◆グローバルでの長い実績と知見を活かす

同社のソリューションは、CHERY、Geely、長安マツダなどの車両にすでに採用されている。グローバルでの取引OEM、サプライヤーは80を超え、日本のOEMとも実績があるという。実は創業が1986年で創業当初はフィリップスのカーオーディオなどを手掛けていた電装品の老舗サプライヤーとなる。2013年には日本の拠点も開設し事業を展開している。
しかし、「人とくるまのテクノロジー展」への出展は今回が初めてだという。その理由や狙いをDESAY SV AUTOMOIVE JAPAN 代表取締役 川崎高輔氏に聞いてみた。
「日本では2013年から事業を始めていますが、出展の狙いのひとつは知名度の向上です。これまで広島に拠点をおいていましたが、本社を横浜に移したので、これを機会に日本のOEMやサプライヤーとの接点を広げたいと思っています」
「DESAY SVは、日本以外に、アメリカ、メキシコ、スペイン、インド、インドネシアなどに海外拠点、工場を持っています。強みは、センサー部品、ECUからAIモデル、クラウドソリューションプラットフォームまでフルスタックで対応できる技術力です。また、徹底したパートナーシップ戦略をとり、OEMなど発注元の製品、設計を十分に把握したうえでのソリューション提案、製品開発を行います。これらの戦略の元、拠点ごとのローカルコミュニケーションを重視することがこれまでの実績につながっていると思います」
◆チャイナスピードとの両立

中国国内で自動車産業は、開発スピードは上がり、各社が技術力や価格で競争を繰り返すいわばレッドオーシャン状態といえる。同社のフルスタックソリューションが強みのひとつということだ。では、自動車業界の「チャイナスピード」にはどう対応しているのか。









