BlackBerry Limitedの事業部門のQNXは12月16日、同社のQNXソフトウェアを搭載した車両が世界累計で2億7500万台を超えたと発表した。
大手技術分析・市場調査会社のCounterpoint Researchによれば、搭載台数は2020年比で1億台増加している。
自動車メーカー各社が大規模な変革期を乗り越える中、ソフトウェア定義型車両(SDV)への移行は一段と加速しており、ソフトウェアはイノベーション、安全性、車内エクスペリエンスの中核要素となっている。こうした進化に伴い、車両の設計、製造、保守の考え方が再構築されつつあり、QNXのような堅牢でスケーラブルなソフトウェアプラットフォームは、世界中のOEMにとってより重要な存在となっている。
QNXは、OEMが開発の加速と生産開始(SOP)スケジュールの順守を実現できるよう支援する、幅広いソリューションを提供している。その中には、決定論的なマイクロカーネルリアルタイムOS(RTOS)とハイパーバイザー、ボードサポートパッケージ(BSP)、プロフェッショナルサービス、AUTOSAR Adaptiveサポートに加え、音響管理、デジタルコックピット、先進運転支援システム(ADAS)など、さまざまな用途に対応したミドルウェアが含まれる。
QNXは、トヨタ、ホンダ、BMW、ボッシュ、コンチネンタル、東風汽車、吉利汽車、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、ボルボなど、世界の主要なOEMおよびTier1サプライヤーから、ソフトウェア主導の将来を支える基盤として信頼されている。
昨年度、QNXはクラウド上でデジタルコックピット開発を仮想化するプラットフォーム「QNX Cabin」の一般提供開始を発表した。また、SDVの開発効率と車載ソフトウェア統合の複雑さの軽減を目的に、ベクター社と「Foundational Vehicle Software Platform」の提供に向けた共同計画を発表している。
Counterpoint Researchは、自動車市場に出荷されたQNX製品の数量と、QNX製品・技術を搭載した車両台数を基に、QNXソフトウェア搭載数を算出している。QNXソフトウェアが組み込まれ使用される車載ECU(エレクトロニックコントロールユニット)の大半は、ユニットごとのロイヤリティベースでライセンス供与されている。



