全固体電池の素材開発へ、韓国POSCO Future Mと米ファクトリアルが提携

韓国POSCO Future Mと米ファクトリアルが提携
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韓国の電池素材大手POSCO Future Mと、全固体電池技術を手がける米ファクトリアルは、全固体電池技術開発に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。

調印式は、ドイツ・ベルリンで開催されたフューチャー・バッテリー・フォーラムで行われ、POSCO Future M技術研究所のホン・ヨンジュン所長とファクトリアルのシユ・ホアンCEOをはじめ、両社の幹部が出席した。

MOUに基づき、両社は電気自動車、ロボティクス、エネルギー貯蔵システムなど次世代産業の進展を支える全固体電池向け材料の開発で協力を模索する。全固体電池は正極と負極の間に液体ではなく固体電解質を使用し、従来のリチウムイオン電池と比較して高い安全性、優れたエネルギー密度、優れた充電性能を提供する。

ファクトリアルは、全固体電池向け正極材のサンプルテストを実施した結果、POSCO Future Mの材料が優れた出力特性を示したことからMOU締結を決定した。

POSCO Future Mは現在、全固体電池向け正極材とシリコン負極材の研究開発を進めており、このMOUを通じて全固体電池材料事業における競争力をさらに強化することを目指している。

POSCO Future M技術研究所のホン・ヨンジュン所長は「ファクトリアルの電池技術とグローバル自動車メーカーとの市場プレゼンス、そしてPOSCO Future Mの正極・負極材料における競争力に基づき、次世代全固体電池事業でシナジーが期待される」と述べた。

ファクトリアルのシユ・ホアンCEOは「全固体電池は商業化準備の新時代に入っている。POSCO Future Mとの協力は、重要な正極・負極材料のイノベーションを加速するだけでなく、強靭なグローバルサプライチェーンを強化し、大規模なコスト削減を推進すると期待している」と語った。

マサチューセッツ州に本社を置くファクトリアルは、韓国忠清南道天安にパイロット製造拠点を持ち、グローバルな事業展開を行っている。

一方、POSCO Future Mは継続的な研究開発を通じて、エントリーレベル、スタンダード、プレミアムの電気自動車をカバーする正極・負極材料の製品ポートフォリオを構築し、顧客にカスタマイズされた製品を供給する準備を進めている。また、将来のモビリティ産業をリードするため、次世代材料の開発にも積極的に取り組んでおり、POSCOグループ全体でもリチウム金属負極材料や硫化物系固体電解質の研究開発を継続している。

《森脇稔》

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