ジャガー・ランドローバー、サイバー攻撃と米関税で赤字転落…2025年7-9月期決算

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ジャガー・ランドローバー(JLR)は、2025年7~9月までの3カ月間の決算を発表した。

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売上高は49億ポンドで、前年同期比24%減少した。2025年4~9月の売上高は115億ポンドで、前年同期比16%減となった。売上高の減少は、サイバー攻撃の影響と、新型ジャガーの発売を前にした従来モデルの計画的な生産終了によるものだ。

9月2日、JLRはサイバー攻撃を受けたことを発表し、初動対応として全世界のシステムを停止した。生産を一時停止した後、10月8日から段階的に製造を再開した。サプライチェーンの流動性を支援するため、JLRはサプライヤーが生産スケジュール時点で現金を受け取れるよう、5億ポンドの新たな融資ソリューションを迅速に導入した。

2025年7~9月の税引前損失(特別項目除く)は4億8500万ポンド、2025年4~9月は1億3400万ポンドの損失となった。前年同期はそれぞれ3億9800万ポンドと11億ポンドの黒字だった。EBIT率は第2四半期がマイナス8.6%(前年同期は5.1%)、上半期がマイナス1.4%(前年同期は7.1%)となった。収益性の低下は、主にサイバー攻撃、米国関税の継続的な影響、販売台数の減少、VMEの増加によるものだ。

2025年7~9月の特別項目2億3800万ポンドは、サイバー攻撃関連費用1億9600万ポンドと希望退職プログラム費用4200万ポンドを反映している。

2025年7~9月の税引後損失は5億5900万ポンドで、前年同期の2億8300万ポンドの黒字から赤字に転落した。2025年4~9月の税引後損失は3億1100万ポンドで、前年同期の7億8500万ポンドの黒字から悪化した。

2025年7~9月のフリーキャッシュフローはマイナス7億9100万ポンド、2025年4~9月はマイナス15億ポンドとなり、9月30日時点の現金残高は30億ポンドとなった。同日時点の総流動性は66億ポンドで、未使用のリボルビング・クレジット・ファシリティ17億ポンドと、9月22日に締結した新たな20億ポンドのブリッジファシリティを含む。さらに10月には、英国輸出金融保証付きの15億ポンドの商業ローンを確保し、バランスシートをさらに強化した。

JLRは、業界が直面する経済、地政学、政策上の課題に対処する態勢が整っていると述べている。2024年度からの5年間の投資支出は180億ポンドを維持する見込みだ。直面する課題を踏まえ、2026年度のガイダンスを修正し、EBIT率は0%から2%の範囲、フリーキャッシュフローはマイナス22億ポンドからマイナス25億ポンドとした。

《森脇稔》

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