コンチネンタル、タイヤ工場に自律走行ロボット導入…従業員は最大250kgの台車運搬から解放

コンチネンタルがタイヤ工場に自律走行ロボット導入
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コンチネンタルは、ドイツ・ハノーバーのトラック・バス用タイヤ再生工場「コンチライフサイクル」に7台の自律走行ロボット(AMR)を導入したと発表した。

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ロボットは工場内でタイヤを運搬し、従業員はより高度な機械操作や品質管理業務に集中できるようになった。

ロボットは先進的なセンサー、360度カメラシステム、AI制御技術を使って生産ホール内を自律的かつ安全に移動する。最高速度は秒速2m(早歩き程度)で、タイヤ成形機から加硫プレス、品質管理へとタイヤを運搬する。

新しい再生タイヤ製造工程ではまず、ハンドリングロボットが研磨済みのタイヤカーカスをタイヤ成形機に移送する。そこでタイヤサイズに応じて最大18kgの新しいゴム(約100度に加熱)がトレッドとサイドウォールに装着される。

トレッドとサイドウォールが装着されると、ハンドリングロボットがタイヤを運搬台車に載せる。デジタル注文システムに接続された自律走行ロボットが、生産能力に応じて台車を加硫プレスまたは中間保管エリアに移動させる。

加硫プレスでは、約75kgのタイヤが160度で加硫され、最終的な形状とトレッドパターンが形成される。その後、コンベヤーベルトで品質管理部門に送られる。

移動式運搬ロボットの利点は明確だ。「従業員はもはやホール内でタイヤを移動させる必要がなく、身体的負担が軽減される。代わりに、機械操作や品質管理といったより高度な作業に集中できる」と同社は説明する。

ロボット導入前、従業員はクレーンと台車を使ってタイヤを手作業で運搬していた。2つのタイヤを積載した台車は最大250kgにもなり、ステーション間で複数回の手作業と移動が必要だった。

コンチネンタルは包括的なトレーニングプログラムで導入を支援し、従業員の受け入れを促進した。従業員はロボットの名前選びにも参加し、「カーゴナイト」「ラバーレンジャー」「ライフサイクルコマンダー」などの名前を付けた。導入後、ロボットはチームの不可欠な一員となっている。

自律走行ロボットの活用は、コンチネンタルがデジタル化と自動化を活用してタイヤ生産をより効率的かつ持続可能にする好例だ。その成功は明らかで、同様のソリューションが世界中のコンチネンタルタイヤ工場に導入されている。北米のマウントバーノンとクリントン、欧州のプホフとオトロコビツェ、アジアの合肥とラヨーンなどの拠点が含まれる。

コンチライフサイクル工場は2013年から摩耗したトラック・バス用タイヤの再生を行っている。使用済みタイヤは徹底的に検査され、古いトレッドが剥がされる。その後、新しいトレッドが装着され、加硫によって新しいプロファイルが形成され、最後に品質と安全性のチェックを受ける。

このプロセスにより、元のタイヤの最大70%を再利用できる。その結果、安全性と性能において新品タイヤと同等の製品が、大幅に少ない資源で完成する。ハノーバー工場の開設以来、コンチネンタルは同工場で100万本以上のタイヤを再生した。世界中の他の再生工場を含めると、同社は約800万本のトラック・バス用再生タイヤを生産している。

《森脇稔》

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