日本通運を擁するNIPPON EXPRESSホールディングスは、ASEAN地域で産地直送型の生鮮品ECプラットフォーム事業を展開するセカイマルシェに出資し、資本業務提携契約を締結したと発表した。
セカイマルシェは2018年に日本で創業し、ASEAN域内のホテル・レストラン・カフェ等に向けて、生産者と消費者を直接つなぐ産直生鮮品ECプラットフォーム「セカイマルシェ」を運営している。同社は自社構築のコールドチェーン物流網を活用し、日本産および現地産の高品質な生鮮品を安定的に供給。生産者と利用者が持続的に成長できるサプライチェーンの構築を目指している。
ASEAN地域では経済成長に伴い、都市部を中心に高品質で新鮮な食材への需要が拡大している。こうした市場環境の変化に対応するためには、鮮度保持や効率的な物流体制の整備が不可欠だ。セカイマルシェは、産地から消費地まで一貫したコールドチェーンを構築し、食品廃棄率を大幅に低減することで、生産者・飲食店双方にメリットをもたらす仕組みを確立している。
日本政府は農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円へ拡大する目標を掲げており、海外市場における日本産品の需要拡大が期待されている。
NXグループは、長期ビジョン「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」の実現に向け、企業価値の向上と社会課題の解決に取り組んでいる。今回の出資により、セカイマルシェとの協業を通じて、成長著しいASEANの生鮮品流通市場におけるプレゼンスを高めていく。
具体的な取り組み内容として、まずセカイマルシェの強みである生産地と消費地を直接結ぶEnd to Endのコールドチェーン網を強化する。マレーシアの高原地帯にある生産地からクアラルンプールのDCへの幹線輸送や同市内でのミルクラン集荷、ASEAN域内外からの越境輸送など、日本通運グループがグローバルで培ってきた輸送効率化の知見を活かして、生産者と消費者双方に利益をもたらす新たな価値を同社と共に創出する。
また、NXグループの生鮮品物流ネットワークと、セカイマルシェの販売プラットフォームを連携させることで、日本産品をASEAN域内のホテルやレストランへ届ける仕組みを強化する。日本の市場内物流や生鮮品輸出で培ってきた知見を活かして、新たな輸送資材を開発し、より高品質かつ効率的に日本産品を輸出できる体制を強化することで、日本の生産者の海外販路拡大や、同社の事業拡大に貢献していく。