PTホンダ・プロスペクト・モーターは、インドネシアで『HR-V RS e:HEV』を発売した。これはホンダがインドネシアのコンパクトSUV市場に投入する初のハイブリッド車となる。
現地の『HR-V』は、日本で販売されているコンパクトSUV『ヴェゼル』と同型のモデルだ。日本での現行ヴェゼルの発売は2021年4月で、改良新型が2025年秋にもデビューすると噂されている。今回、インドネシアに登場したHR-V RSは、フロントマスクなどが通常モデルと異なっており、ヴェゼルの改良新型で追加されるスポーティな「RS」グレードを先取りしている可能性もある。
HR-V RS e:HEVは、1.5リットルDOHC i-VTECエンジンと高出力電気モーターを組み合わせたe:HEVシステムを搭載している。ガソリンエンジンは106ps/127Nmを発生し、電気モーターは131ps/253Nmを出力する。このシステムは「electric-first」アプローチを採用し、電気モーターを主要動力源として使用する点が特徴だ。

車両は3つの走行モード(EVドライブ、ハイブリッドドライブ、エンジンドライブ)を自動的に切り替え、効率的な燃費性能と走行性能を両立している。また、エコ、ノーマル、スポーツの3つのドライビングモードも選択可能だ。
現地向けのHR-Vは5つのバリエーションで展開される。ハイブリッド車は「1.5L RS e:HEV」(4億8800万ルピア=約431万円)、「1.5L e:HEV Modulo」(4億6070万ルピア=約407万円)、「1.5L e:HEV」(4億4900万ルピア=約397万円)の3種類。ガソリン車は「1.5L E+ CVT」(4億2200万ルピア=約373万円)と「1.5L E CVT」(3億9990万ルピア=約354万円)の2種類となっている。中でも「RS」は、ハニカムパターンのフロントグリルなど、スポーティな外観が特長になる。

さらに、ホンダコネクトシステムにより、スマートフォンアプリを通じて車両の遠隔監視や制御が可能だ。リモートエンジンスタート、車両位置確認、ジオフェンシング機能などを提供する。
今回の発売は、ホンダの「Electrify Your Journey」戦略の一環として、インドネシアでの電動化戦略を推進するものだ。HR-Vは過去10年間でインドネシア市場において28以上の賞を受賞しており、同社の電動化技術導入の基盤となっている。
HR-Vは、全国のホンダ正規ディーラーで注文・試乗が可能。また、ジャカルタ、バンドン、ジョグジャカルタ、スラバヤの主要都市で展示会も開催される予定だ。