EVの航続改善へ、ZFがプロパン冷媒採用の熱管理システム実用化

ZFがEVの航続を改善する新しい熱管理システム「TherMaS」を開発
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ZFは、電気自動車の航続距離を大幅に改善する新しい熱管理システム「TherMaS」を開発したと発表した。

電気自動車のバッテリーは15~25度の温度範囲で最適な性能を発揮するが、極端な気温条件下では熱管理システムの負荷が増大し、航続距離がほぼ半減することもある。ZFの研究開発担当上級副社長オトマー・シャラー博士は「熱管理の改善はメーカーとドライバーの両方に大きな利益をもたらす」と説明している。

TherMaSの最大の特徴は、プロパン冷媒を使用した非常にコンパクトなヒートポンプ冷却回路だ。プロパンは優れた冷却性能を持つため、従来システムと同等の性能を維持しながら回路をより小型化できる。システム全体の複雑さも軽減され、特に電子制御アーキテクチャや水・グリコール回路の制御が簡素化された。


《森脇稔》

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