ドイツの電子計測機器メーカーのローデ・シュワルツは、3月にスペイン・バルセロナで開催される世界最大のモバイル技術展示会「Mobile World Congress 2025(MWC 2025)」に出展する。
同社は、最新の自動車向け無線技術ソリューションを提案する予定だ。
同社は、MWC 2025の主要テーマである「5G Inside」「AI+」「Game Changers」「Connect X」「Enterprise Re-invented(企業の改革)」に合わせた5つの領域をカバーする製品ポートフォリオを展示する。
特に注目されるのは、自動車業界向けのソリューションだ。自動車メーカー各社は、複数の無線規格を活用することでより高度な機能を実現しようとしている。ローデ・シュワルツは、この動向に対応し、最新の車載コネクティビティ・アプリケーションに向けた提案を行う。
例えば、欧州で義務化が進む緊急通報システム「eCall」などのアプリケーションで信頼できる接続性を確保するには、重要なRF性能と最新のプロトコル・スタック仕様を満たすことが鍵となる。欧州市場で販売される自動車については、2026年までに同機能の実装が義務付けられる見込みだ。
また、中国の規制当局もGB/T 45086.1 2024という自動車向けの新しいGNSSテスト基準の導入を進めており、中国版eCallの形で2027年までに義務化される見通しだ。ローデ・シュワルツは、これらのテストに対応可能なCMX500無線機テスタとGNSSシミュレーション用のR&S SMBV100Bベクトル信号発生器を提供している。
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全につながる社会の実現に向けて努力を重ねている。90年にわたって先端技術の開発を続け、技術の限界を押し広げてきた同社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関の顧客がデジタル技術の主権を得るための支援を行っている。
ミュンヘンを拠点とする同社は、2023/2024会計年度に29億3000万ユーロの純収益を上げ、2024年6月30日現在、全世界で約1万4400名の従業員が活躍している。