地域外から応援タクシーを派遣、『ニセコモデル』が好調

ニセコモデル2024年度
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  • ニセコモデル2023年度のインバウンド利用地域別割合
  • ニセコモデル2023年度

エリア限定でタクシーが営業区域外旅客運送を行なう『ニセコモデル』が好調だそうだ。タクシーアプリ『GO』を提供するGO株式会社が1月22日に報告している。2年目となる2024年度は12月16日から2025年3月15日まで運行予定で、今シーズンは乗車実績を大きく改善しているという。


◆アプリで地域限定のタクシー配車が可能に

北海道ハイヤー協会、北海道虻田郡倶知安町、北海道虻田郡ニセコ町、GOが取り組んでいる『ニセコモデル』は開始から1か月を経過し、乗車数が昨年度の約3倍のペースで進捗、乗客の87%がインバウンドで、計65の国と地域からの旅行者が利用している。

『ニセコモデル』は、タクシーの営業区域外旅客運送と遠隔点呼の仕組みを活用し、他営業圏のタクシー事業者から応援隊を派遣し、ニセコエリア内のタクシー供給力強化を図るもの。営業はエリア内発着の限定とし、タクシーアプリ『GO』でのみ予約を受ける。2023年度は約8割がリピーターで、約9割がインバウンドの旅客、合計で2万件以上の乗車があったという。

ニセコモデルについてニセコリゾート観光協会の下田伸一会長は「インバウンドの増加に対応する交通インフラの維持は、ドライバー不足の地方では重要な課題だ。昨年よりも強化され、宿泊業や飲食店からも便利になったと聞いている。継続してより良いモデルとしたい」とコメント。

◆昨年度約3倍の乗車数を記録中

今季の“応援隊”は、昨年度の8社11台25名から、約2倍となる12社20台45名に加え、地元事業者4社25台稼働の供給増強により、開始1か月時点で乗車が1万7938件と、昨年同期間比2.9倍のペースだという。

好調要因としては、迎車から乗車までのリードタイムが平均8分と、昨年度に比べて平均3.9分短縮されたことで効率的な車両活用が実現しているため。車両台数増加と待機場所の工夫など乗務員間でのナレッジ共有によって改善が実現した。大晦日には過去最高となる758件の乗車があり、最繁忙期となる1か月間で平均83%という高い水準のマッチング率を維持できたという。

倶知安観光協会の二川原康平氏会長は「JR列車の始発に間に合うようタクシーが来るなど、昨年度より改善された。ホテルやレストランなどからも、つかまえやすくなったと聞いている。荷物が多い利用者もいるため、積載量の記載など、さらに安心して利用できるような改善を期待する」と評価する。


《高木啓》

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