自動車向けサイバーセキュリティ技術を手がけるVicOneは、トレンドマイクロが運営する脆弱性発見コミュニティZero Day Initiative(ZDI)とともに、ゼロデイ脆弱性発見コンテスト「Pwn2Own Automotive 2025」を「オートモーティブワールド2025」で共催する。
このコンテストは、2024年1月の初開催時には49件のゼロデイ脆弱性が発見され、大きな成功を収めたPwn2Own Automotiveの第2回目となる。
Pwn2Own Automotiveは、SDV(ソフトウェア定義車両)の普及に伴い増加する車両のサイバーセキュリティリスクに対応するため、ゼロデイ脆弱性の発見を通じてセキュリティ対策を強化し、サイバーインシデント防止を促進することを目的としている。
コンテストでは、世界トップレベルのセキュリティリサーチャーが最新の自動車技術に対する実環境での検証を行う。参加者は、テスラのEV、車載インフォテインメント(IVI)システム、電気自動車(EV)充電器、オペレーティングシステム(OS)という4つのカテゴリーにエントリーしてポイントを競う。
各カテゴリーに設定されているターゲット機器/OSに対して、参加者は最大3回のチャレンジを行い、任意のコードを実行できることを証明する必要がある。チャレンジが成功するとポイントが獲得でき、最も多くのポイントを獲得した参加者(チーム)に「Master of Pwn」の称号が与えられる。
VicOneは、このコンテストを通じて、ブラックマーケットでゼロデイ脆弱性が出回る前に早期発見し、迅速な対策を講じることでサイバー攻撃による被害を未然に防ぐことを目指している。また、合計100万ドルを超える賞金を提供することで、セキュリティ研究を活性化させるとともに、実践的な環境での経験を通じてセキュリティ人材の育成にも貢献する。
自動車業界のデジタル化が進む中、Pwn2Own Automotiveは車両セキュリティの向上に重要な役割を果たすことが期待されている。