三菱ケミカルグループは、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池用の負極材について、香川事業所(香川県坂出市)での生産能力を増強すると発表した。2026年10月の稼働を予定しており、年間生産能力は1万1000トンとなる。
負極材はリチウムイオン電池を構成する主要な材料の1つであり、天然系黒鉛または人造系黒鉛を原料としている。三菱ケミカルグループは、製造工程での温室効果ガス排出量が少なく、ライフサイクルアセスメントの観点で優位性がある天然系黒鉛を原料とした製品に強みを持っている。
さらに同社は、独自開発の新技術により、天然系黒鉛の課題であった電池寿命に影響する膨張を抑制し、人造系黒鉛の性能を上回る新グレードを開発した。この新グレード品の生産を香川事業所で行うことで、サプライチェーンの強化とモビリティ向け素材におけるカーボンニュートラルへの取り組み強化を目指している。