東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランドは7月9日に開催された取締役会において、日本を拠点とするディズニークルーズを展開することを決議し、ディズニー・エンタプライゼズ・インクとライセンス契約を締結したと発表した。
今回オリエンタルランドがライセンス契約を締結したディズニークルーズ事業は、新たな収益機会として日本のクルーズ市場の成長を見込み、テーマパークやホテル事業で培ったノウハウとディズニー社との強固な信頼関係を活かす形で決定された。
◆現在5隻が運航中
ディズニークルーズは1998年にアメリカで就航し、現在5隻(ディズニー・マジック、ディズニー・ワンダー、ディズニー・ドリーム、ディズニー・ファンタジー、ディズニー・ウィッシュ)が運航中である。フリートは、バハマ、カリブ海、ヨーロッパ、アラスカ、メキシコ、カナダ、ハワイ、南太平洋、オーストラリア、ニュージーランドなどを目的地に航行している。2024年12月にディズニー・トレジャーが就航し、その後さらに2隻が増え、2025年からはシンガポールからの年間クルーズも計画されている。
ディズニークルーズでは、非日常の空間でディズニーのコンテンツを体感できる。乗船客は、バラエティに富んだ食事やホスピタリティ、エンターテイメントを楽しむことができる。料金はオールインクルーシブで、客室やキャラクターとの体験、食事、レクリエーションなどが含まれる。
◆2025年度から造船開始し、2028年度に就航
今回のライセンス契約に基づき、2025年度から造船を開始し、2029年初頭(2028年度)の就航をめざす。当該事業の総投資額は約3300億円を見込む。
新しいディズニークルーズ船は、日本で登録され、日本を拠点に運航される。船はドイツのパーペンブルクにあるメイヤーヴェルフト造船所で建造され、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングによる創造的なデザインが施されることになっている。人気の「ディズニー・ウィッシュ」の姉妹船として、多くのゲストに愛される施設や体験を提供し、日本のゲスト向けに特別な改良が加えられるという。総トン数は約14万トン、客室数は約1250室で、液化天然ガスが動力源だ。
初航海や航路、船内仕様の詳細については、後日発表される。
ディズニーとオリエンタルランドとの関係は40年以上にわたり続いており、オリエンタルランドは東京ディズニーリゾートを所有・運営している。オリエンタルランド代表取締役会長兼CEOである高野由美子氏は、「テーマパーク事業で培ったノウハウを活かし、家族向けのエンターテインメントクルーズ体験を提供していく」と語った。