今年東京お台場で本格始動、日本製造業にとってのロボタクシー市場のこれから…沖為工作室 沖本 Founder CEO[インタビュー]

今年東京お台場で本格始動、日本製造業にとってのロボタクシー市場のこれから…沖為工作室 沖本 Founder CEO[インタビュー]
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レスポンスセミナー「ロボタクシーサービスの今とこれから~市場と主要企業の最新動向~」では、沖為工作室合同会社 Founder CEO 沖本真也氏による業界および技術動向のセミナーが行われる。ロボタクシー市場はどうなっているのか。今後どのように発展していくのか。セミナーでは、OEMおよびサプライヤーはそれにどう対応すればいいのかが語られる。

トヨタがこの夏にもレベル4自動運転のロボタクシーの一般車両も走る公道での実車走行(サービス運行)を始めるという報道がされ、直近では国内ソフトウェア企業のティアフォーもお台場の複数拠点間でロボットタクシーのサービス実証を行いながら、2024年11月からの事業化を目指すという発表が行われている。テスラもロボタクシー事業へのコミットメントを発表するなど、自動運転技術が新しいフェーズを迎えている。この分野では、中国や北米のテック企業が先行しているが、日本でも社会課題への対応、新しい投資分野という面でさまざまな分野の注目を集めている。

一方で法整備や安全面への懸念も無くなったわけではない。ロボタクシーにおいては、電動化やEV市場以上に異業種や社会インフラとの関わりも重要となる。プレーヤーも多くなり、従来型の産業構造では対応できない部分もでてくるだろう。

■投資家も注目するロボタクシー市場

――セミナーではどのようなことが語られるのでしょうか。

まずはロボタクシーをとりまく過去と現在の市場概況を整理します。この中では北京モーターショーでの動きも取り上げます。北京ショーでは、シャオミやHUAWEIなど新しいプレーヤーの本格的な動きが発表されたとともに、事業としての自動運転、ロボタクシーの市場を見据えた動きも見られました。

次にウェイモ、クルーズ、バイドゥ、テスラなどロボタクシーに関わる主な企業動向を紹介します。各社のこれまでの取り組みと現状の成果などをまとめたいと考えています。これらの情報を踏まえ、今後のロボタクシーについて動向予測をしてみたいと思っています。動向予測では、AIの動きも欠かせない要素です。

――北京の話題も取り上げるとのことですが、ロボタクシー関係でも気になる動きがあったのでしょうか。

ロボタクシーそのものの大きな発表であったわけではありませんが、シャオミのSU7やHUAWEIのOS(HarmonyOS)を搭載した車両など、家電メーカーが手掛けるスマートカーは、AR機能、クアルコムの最新チップを搭載するなど、高度な自動運転機能も売りにしており、将来のロボタクシー市場にも通じる、2024年の大きなトピックだと思っています。

――ロボタクシーについては2024年にテスラやトヨタが新しい発表をしています。この市場の現状はどう分析していますか。

テスラのロボタクシー参入、トヨタもロボタクシーを見据え、Pony.aiらと合弁会社を設立するなど、ビッグネームも動き出すような環境になってきました。背景にある生成AIなど第4次AIームが技術面と市場面のドライバーとなって盛り上げている状況といえます。AIに関連して投資家もロボタクシー事業に注目しています。

遡ると2010年代は車載用LiDARの発達により最初の自動運転ブームがありました。UberやLyft、Waymoなど自動運転の研究や実験が始まったころです。Googleやアップル、Tencent のようなビッグテックやUberなどの配車サービス事業者の参入が話題になりした。このときは、特に自動運転技術の開発に注目が集まり、AI活用などが進んだところです。

■技術開発が加熱する中での転機

しかし、2018年のUberによる事故をきっかけに流れが少しかわりました。当時、自動運転の危険性が国内外であらためて議論されました。

――一時は自動運転は時期尚早、必要ない、ADAS・レベル2で十分、という論調もありましたね。

しかし、社会課題としてライドシェア、事故防止、物流問題への対策からも、技術開発は続けられていました。さらに第3次AIブームも重なっており、自動運転は次のフェーズに進みます。


《中尾真二》

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