初出展のしげる工業、軽量化に貢献する無塗装の発泡成型技術を紹介…人とくるまのテクノロジー展2024

しげる工業はスバルやスズキの純正内外装部品を手掛けるサプライヤー
  • しげる工業はスバルやスズキの純正内外装部品を手掛けるサプライヤー
  • 発泡成型部品の例。持ってみると軽さを実感できる。強度を変えることなく軽量化することが可能
  • 発泡成型した樹脂部品の断面
  • 射出成型をカーボン素材風に仕上げることも可能
  • 同じ部品もマット処理で成型できる
  • 微細な金型加工技術(IBUKI)によって、樹脂製品のテクスチャバリエーションが広がる
  • さまざまなテクスチャの見本
  • しげる工業ブース(人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA)

しげる工業は、5月22日に開幕した人とくるまのテクノロジー展2024に初出展した。同社は群馬県を本拠とする車両のインパネや内外装を手掛けるサプライヤーだ。射出成型技術に特徴があり、特殊な発泡成型や微細な表面処理を施した樹脂製品もラインナップする。

車両開発で軽量化が課題になると、ダッシュボードやインパネなどの樹脂製品もその対象になることがある。樹脂製品は、射出成型で作られることが多いが、軽量化のため薄くすると強度が落ちてしまう。補強のため内側にリブなどを作ると、トータルでの軽量化が難しい。ソリューションとして発泡成型という技術がある。

金型に樹脂を注入し成型するとき、発泡剤を混ぜておき成型しながら型を少しずらして空間をつくる。こうすると内部に無数の穴ができ、強度と軽さを両立することが可能だ。ただし、本来樹脂注入の内圧で形をつくるものなので、すきまを作ることで表面に微妙な凹凸、しわような模様が出てしまう。一般的な発泡成型は、仕上げに塗装することで対応するが、同社の成型技術は塗装なしで通常の射出成型部品の表面品質を実現している。

この発泡成型技術で、1.5mm厚の樹脂を2.9mmまで拡張し、ソリッド成型2mmの部品と同等の強度、仕上がりを可能にした。現在、1.3mmを3mmまで発泡させる技術に取り組んでおり、さらなる軽量化を進めている。

発泡成型部品の例。持ってみると軽さを実感できる。強度を変えずに軽量化することが可能

《中尾真二》

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