トヨタ・モビリティ基金は3月8日、北米のイノベーション推進組織MaRS Discovery Districtと、障がいの有無にかかわらず全ての人が自由に移動できる社会構築に向けて、イノベーターや起業家を支援するプログラム「Mobility Unlimited Hub」をカナダで開始した。
この取り組みは、インクルーシブな社会を目指し、多様な人材が集まるイノベーション集積地であるカナダ・トロントで、イノベーターや起業家に対し、マーケティング、資金調達や事業ネットワーク創出等のプログラムを提供する。このプログラムを通じ、商用化を支援し、移動に関わるソリューションの開発と導入を加速することを目的としている。
カナダには、総人口の約21%にあたる800万人が障がいを持つと推定されており、これは15歳以上のカナダ人の27%に相当する(カナダ統計2022より)。また障がいを持つカナダ人のうち72%が、国内でアクセシビリティに関わる何らかの障壁に遭遇し、30%が補装具に対し、十分にニーズが満たされていないと感じているという。
このプログラムには、イノベーターや起業家の支援に必要なノウハウを持つ多くの企業・大学機関などが関わっている。障がい者自身が主体的に関わる「Nothing about us without us」という考え方があり、こうした考え方をこの取り組みの基礎として、当事者の意見に基づきソリューションの開発支援を進めていく。また、補装具、リハビリテーションなどに関わる技術やソリューションを持つイノベーター、起業家の参加を募集している。