<新連載>[低音増強でカーオーディオはもっと楽しくなる]導入のハードルが低いのは「小型・薄型パワードタイプ」!

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WH500A)。
  • 「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WH500A)。
  • 「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW30)。
  • 「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW12EQ)。

クルマの中では、超低音が不足しがちだ。ゆえに超低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」の導入率が高めだ。当特集では、その理由からこの選び方・使いこなし方までを解説していこうと試みている。今回からは、「低音増強法」を1つ1つ紹介していく。

◆「サブウーファー」にはタイプ違いが3つある。その中で手頃なのは…

「低音増強」を実行したいと思ったときには「サブウーファー」を導入するのが最善手となるが、実は「サブウーファー」にはタイプ違いが大きく分けて3つある。「小型・薄型のパワードサブウーファー」、サブウーファーユニットと大型のボックスとが一体化した「ボックスサブウーファー」、そしてスピーカーユニットが単体で売られている「ユニットサブウーファー」、これらだ。

この中で導入のハードルがもっとも低いのはズバリ、「小型・薄型のパワードサブウーファー」だ。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」とはつまり、サブウーファーユニットとボックス(エンクロージャー)とパワーアンプ、これらが一体化した製品だ。

これらが一体化している理由を説明していこう。まずボックスは、スピーカーにはなくてはならないパーツの1つだ。なぜなら、「スピーカーの裏側から放たれる音を閉じ込める必要があるから」だ。スピーカーは振動板を前後に動かし空気を震わせて音を伝えるが、その営みは振動板の背面でも成されている。つまりスピーカーは、前からも後ろからも音を発する。

で、前から出る音と後ろから出る音は耳で聴く分には同じ音なのだが音波としては真逆の関係にある。そしてそれらが同一空間で交ざり合うと、お互いを打ち消し合うこととなる。ボックスは主には、このような現象を防ぐためにある。ボックスの中に背面から出る音を閉じ込めれば、打ち消し合いが起こらない。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW30)。「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW30)。

◆「小型・薄型パワードサブウーファー」なら、買ってすぐに音が出せる! しかし…

そしてスピーカーの振動板を動かすには、ある程度の大きな力(電力)が必要となる。なので「パワーアンプ」が必須となる。これにて音楽信号を増幅すれば、「サブウーファー」の大きな振動板を動かせる。

かくして「小型・薄型のパワードサブウーファー」を用意して配線作業さえ行えば、すぐに音を出せる。しかも小型・薄型なのでシート下への取り付けも可能だ。インストールスペースも取りにくい。このように「小型・薄型のサブウーファー」は、コストと取り付け性の両面で合理的に「低音増強」を行える。

とはいえ不利点もある。それは主には2つある。まず1つ目は、「空気を震わせられる量に限界があること」だ。薄型であるがゆえに、振動板のストローク量はおのずと少なくなる。結果、震わせられる空気の量もそれなりに少なくならざるを得ず、体の芯に響くような重低音を再生しづらい。

そして不利点の2つ目は、「低音の鳴り方をプロデュースしにくいこと」だ。スピーカーは、どんなボックスに組み付けるか、どんなパワーアンプを組み合わせるかでも鳴り方が変化する。しかし「小型・薄型のパワードサブウーファー」ではそれらが最初から用意されているがゆえに、“組み合わせの妙”を楽しめないのだ。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW12EQ)。「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW12EQ)。

◆音を優先するか手軽さを取るか。そして見極めるべき重要項目はもう1つある!

続いては、「小型・薄型のパワードサブウーファー」の選び方を説明していく。製品数は案外多くある。国産モデルもあれば海外製品もさまざまある。そして価格差もそこそこに開いている。手頃なものでは1万円台からあり、高級機ともなると10万円に迫ろうかというモデルまである。

なお10万円以下の製品は得てして、価格差が開くと性能差も案外大きく開く。例えば2万円の製品と8万円の製品との価格差は4倍もある。それだけ違えば、性能に差が出るのは自明の理だ。

なので音にこだわりたいと考えるのであれば、予算の範囲内で可能な限り高額なモデルに手を伸ばしたい。ただ、「小型・薄型のパワードサブウーファー」は手軽であることが利点であるので、そこを重んじるのもアリだ。そうであれば割り切って、リーズナブルなモデルを選択しよう。

なお、チョイスの際には、価格と同等以上にチェックすべき重要なポイントがある。それは、「本体サイズ」だ。「小型・薄型パワードサブウーファー」はインストール性が高いことも大きなメリットだが、愛車のシート下のクリアランスよりも大きなモデルを選んでしまうと意味がなくなる。なので選定の際には先にシート下のクリアランスを測定し、それに収まるサイズのモデルを選ぼう。

今回はここまでとさせていただく。次回は「小型・薄型のパワードサブウーファー」の選び方と使い方についてさらに詳しく説明していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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