世界110台限定のアストンマーティン『ヴァラー』も展示…ブランド110周年記念アルカディア開催

アストンマーティン  ヴァラー
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  • アストンマーティンアルカディアのコンクールデレガンス参加車たち
  • ラゴンダ タラフ

アストンマーティンは設立110周年を記念したイベント、「アストンマーティンアルカディア」を日本で開催。11月17日から18日まで東京浅草の浅草寺にて展示とコンクールデレガンスを行い、その後移動し19日は富士スピードウエイにおいて走行会や展示が行われる。

このイベントには日本初公開となる110周年を記念した限定車『ヴァラー』も登場。その開発者に話を聞くことができた。

アストンマーティンラゴンダプロダクトプランニングリーダーのサム・ベネットさんアストンマーティンラゴンダプロダクトプランニングリーダーのサム・ベネットさん

◆マンチャーがモチーフ

----:ベネットさんのお仕事はどういう内容なのですか。

アストンマーティンラゴンダプロダクトプランニングリーダーのサム・ベネットさん(以下敬称略):私はスペシャルビークルという特殊な車両の開発チームにいます。そこでは今後新しい特別なクルマを立ち上げる際に、アイデアを出すという役割があります。

----:そこでこのヴァラーも担当されたわけですね。では始めにどういうアイデアを出したのでしょうか。

ベネット:1970年代から80年代のアストンマーティンをオマージュして、リアルに運転している実感が得られるパワフルなエンジンと、マニュアルトランスミッションを搭載することで、より楽しめるクルマを目指して作りました。

アストンマーティン  ヴァラーアストンマーティン  ヴァラー

----:その時代ですとアストンマーティン『V8』や『DB6』あたりを頭の片隅に置きながら開発をしていったというイメージですね。

ベネット:はい、特に1970年代に登場したV8をベースにしたレーシングバージョンで、1978年から79年にル・マンなどで活躍した『RHAM/1マンチャー』をイメージしてコンセプトを作り上げています。

----:アストンマーティンは今年110周年ですが、戦前や60年代のイメージは想像されなかったのでしょうか。

ベネット:基本は70年代から80年代のイメージです。110台限定ですので、より一般的にアピールするよりも、限られた市場のお客様にあえてアピールしたいと考えたので、よりアグレッシブなクルマをモチーフにヴァラーを作りました。

アストンマーティン  ヴァラーアストンマーティン  ヴァラー

◆心や腹に響くクルマ

----:ではこのクルマを開発するにあたって、一番実現したかったことは何でしょう。

ベネット:ドライビングを完全に楽しめるということですね。絶対的な性能数値を目指すよりも、心や腹に響いてくるような走行性能を目指しています。

----:デザインにもかなりのこだわりが感じられます。そのあたりを教えてください。

ベネット:一番わかりやすいのはフロントエンドですね。伝統的なアストンマーティンのデザインを近代的な考えで解釈しています。2層に分けて考えていて、下の層は近代的でディフューザーもあります。一方の上の層はよりクラシックなデザインで、70年代80年代の伝統的なルックスで、その二つを融合しているのです。

アストンマーティン  ヴァラーアストンマーティン  ヴァラー

----:ベネットさんにとってアストンマーティンらしさとは何でしょう。

ベネット:アストンマーティンの美しさ、力、荒らしさ、そして英国的なタッチが入っているクルマですね。その英国的なタッチとは、クルマ全体の美しさとともに、最高品質の素材を使っている点です。本革もそうですし、ツイードもそうです。またカーボンファイバーもそうですね。とにかく高級のものを使っている。そのあたりが英国らしさです、

ヴァラーでもシートに使っているツイードの素材は、元々自動車用ではないのですが、我々が特注で自動車に適した素材を開発して使うなど、大いにこだわった素材選びをしています。そういったところがアストンマーティンらしさに繋がってるのです。

因みにヴァラーは110台生産しますが、オプションが豊富なので、この全てのヴァラーが異なった仕上がりになっていあるのです。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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