新技術“ホイールが発電する”時代へ突入! トピー工業が実現した『TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY』とは…ジャパンモビリティショー2023

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新技術“ホイールが発電する”時代へ突入! トピー工業が実現した『TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY』とは…ジャパンモビリティショー2023
  • 新技術“ホイールが発電する”時代へ突入! トピー工業が実現した『TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY』とは…ジャパンモビリティショー2023
  • 事業開発戦略センター長 加納愛仁氏(左)とプロジェクトメンバーの残間俊典氏(右)
  • 展示されていた発電するホイール「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」
  • トピー工業では国産高級ブランドへの供給も数多く行っている
  • EV軽商用 デザインスチールホイール
  • 商用車用 ブリリアントホイール
  • リムガード付きアルミホイール
  • EV軽乗用 超々スクエアホイール

乗用車用からバス・トラック用のホイールまで高いシェアを誇るトピー工業ジャパンモビリティショー2023に出展。注目はホイールによる発電技術。次世代モビリティの可能性を拡げる出展となった。

トピー工業はホイール・自動車部品事業をはじめ、鉄鋼事業、建設機械用足まわり部品事業、その他(発電、マイカ等)の4つの事業を柱とした企業だ。中でもクルマ好きの読者に馴染みが深いのはホイール関連の事業だろう。クルマメーカー各社向けOMEホイールの製造を幅広く手がけ、乗用車用スチールホイールでは国内シェア55%(世界シェア20%)、バス・トラック用スチールホイールでは国内シェアはなんと93%という企業なのだ(OEMシェア、トピー工業調べ)。皆さんのクルマに装着されているホイールが同社の製品である確率は非常に高いと言える。しかも来年は創立103周年を迎える企業であり、日本のクルマメーカーが発足するよりも前からクルマのホイール(海外向け)を作っていた老舗中の老舗メーカーでもあるのだ。

◆トピー工業の新技術(特許出願中)
「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」とは

事業開発戦略センター長 加納愛仁氏(左)とプロジェクトメンバーの残間俊典氏(右)事業開発戦略センター長 加納愛仁氏(左)とプロジェクトメンバーの残間俊典氏(右)

そんなトピー工業がジャパンモビリティショー2023のブースで大々的に発表したのが「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」と呼ばれる新技術だ。これはホイールで“発電”することができる技術であり、ホイールが担う新しいモビリティの時代をリードする新テクノロジーとなった。開発を統括した事業開発戦略センター長である加納愛仁さんに、その技術の先進性や優位性についてうかがった。

「ホイールは走行中にタイヤの変形を受けてひずみが発生します。この“ひずみ”を利用して“電気”を起こすのが今回の技術です。具体的には圧電素子をホイールに組み込むことで歪みから電気を発生させます。しかし、ただ圧電素子を使えば良いわけではなく、そこには数多くのノウハウが必要になります。その点、ホイールのことを知り尽くした弊社だからこそできたことも数多いのです。例えば、ホイールのどの部分に圧電素子を設置するのがもっとも発電効率が高いのか? ホイールで用いるのに最適な圧電素子はどのパーツなのか? など、ホイールのひずみを利用して発電するという新技術には弊社がこれまで培ったホイール設計に関する技術力や知見が多く込められているのです」

展示されていた発電するホイール「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」展示されていた発電するホイール「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」

ホイールで発電するこの技術、近年のクルマの進化とも密接に関連している。TPMS(タイヤ空気圧監視システム)に代表されるタイヤの管理デバイスはもちろんだが、今後はEVや自動運転などを含め足まわりの情報を逐一管理する必要性がより高まっていく。そんな時、ホイール内に自由に使える電力があることは非常に有利に働くはずだ。実際にブースに出展されたプロトタイプではすでにTPMSを駆動させるのに十分な発電量は確保しているという(具体的には10数ボルトの電圧が出力できることは実証済み)。しかもこの技術が持つもうひとつの特徴は比較的軽量で発電に必要な機器の組み込みが可能な点だ。具体的にはホイール1本に必要な発電関連の重量増はたったの10数グラム。ホイールのバランスウエイトにも満たない重量でこれだけのメリットを得られるのがこの技術の注目すべき点でもあるだろう。

次に「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」で生まれた電力を使ってどんなことが実現できるかを想定してみた。先に紹介したTPMSの電源供給はもっともわかりやすい例だろう。さらにタイヤの中へ埋め込むセンサー類の電源としても活用が予想される。気圧、加速度、温度、湿度など、さまざまなセンシングを行って、その情報を車両やクラウドにアップするというセンサー類は今後もますます必要性が高まる。例えばホイールの使用履歴を記録することでタイヤやホイールの寿命を管理したり、走行記録を取得することも可能だろう。その他、この電力をどのように使うかはホイールを用いる幅広い事業者のアイデアやニーズに任されている。今後はアイデア次第でその用途を大きく広げることが予想される技術分野となっているのも理解できるだろう。

◆最先端を追い求める技術者集団だから実現出来た
独自の発想と実行力がスピード感ある開発を可能にする

トピー工業では国産高級ブランドへの供給も数多く行っているトピー工業では国産高級ブランドへの供給も数多く行っている

ところで、最初に紹介した通りクルマのホイールを製造するメーカーであるトピー工業が、なぜホイールで発電する技術を開発したのかについて少し紹介しておこう。これは同社の社風でもある技術者各人が持つパイオニア精神のなせる技だったとも言える。

「3年ほど前のことです、社内で“EVの時代にホイールはどう進化するべきか”というテーマが投げかけられました。その時にホイールができることをさまざまな面で発案して事業化していくという社内公募を行ったのです。そのひとつのプランが形になったのがTOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGYとなります。これまでも弊社ではホイールを製造する際に自社のクオリティに合ったプレス成型機を自社開発したり、検査するのが難しいとされているホイールに特化した外観検査機を独自開発するなど、さまざまな分野で他にはなかったものを自分たちで作るというパイオニア精神に溢れている企業です。そんな社風が今回の開発にも反映されたのだと思っています」

自分たちの持つコア技術を生かしてイノベーションを起こす、そんな気概を持った数多くの技術者が自ら手を上げてこのプロジェクトは始動する。参加した技術者それぞれが前のめりで開発を進め、この手の開発としては超スピーディにプロトタイプの開発までを実現させたと言う。これは技術者が新しいテクノロジーを自らが生み出すことに強いやりがいと醍醐味を感じていることがうかがい知れるエピソードとも言えるのでは無いだろうか。

◆既存事業にも新発想の提案が
数多く行われた魅力あるブース展示

商用車用 ブリリアントホイール商用車用 ブリリアントホイール

ジャパンモビリティショー2023の同社ブースには、「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」以外にも数多くのホイールの新技術が展示された。その一部をご紹介しておこう。環境負荷低減を目指した「サスティナブルホイール」もそのひとつ。塗装の乾燥時に熱を用いないUV塗装を用いてエネルギーコストを低下。さらに空気抵抗を減少させることで燃費の向上も図った新コンセプトだ。

EV商用バン 低炭素排出綱適用ホイールEV商用バン 低炭素排出綱適用ホイール

また「低炭素排出鋼適用ホイール」は従来の鉄鋼石を用いて高炉で製造される鋼材に換えて、鉄スクラップを原料とする電炉材を用いることでホイール製造に必要なエネルギーを減少させてCO2排出力を削減し脱炭素に貢献するホイールとしている。またメッキ調塗装やスチールホイールへの3層塗装など、意匠面でのホイールの進化も数多く手がける。エコ、脱炭素、デザインなど多岐にわたる分野で新しいホイールの可能性を探る新技術を多数展示したブースは見どころ満点。

注目の展示となった「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」をはじめ、ホイールにまつわる新技術を数多くブース展示したトピー工業。OEMホイールのトップメーカーらしい、ホイールの未来を見据えた開発が多く登場し、見どころいっぱいのブース展示となった。

トピー工業が持つ最新技術の詳細はこちら
《土田康弘》

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