ホンダ設立75周年、改めて本田宗一郎の足跡を振り返る

ホンダRA272
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  • 定本 本田宗一郎伝 〈四訂版〉
  • 藤澤武夫(向かって右)と本田宗一郎(1973年)
  • ホンダコレクションホールに本田宗一郎が製作に携わった「カーチス号」が展示

『定本 本田宗一郎伝 〈四訂版〉』
著者:ノンフィクション作家 中部博 (なかべ・ひろし)
発行:三樹書房
定価:2860円
ISBN978-4-89522-792-6

ホンダ設立75周年を記念して、創業者本田宗一郎の伝記が刊行された。長きにわたり読み継がれてきたロングセラーが新たな写真史料を加えて、内容を充実。伝説の人物、本田宗一郎を知るうえでの定番書である。

藤澤武夫(向かって右)と本田宗一郎(1973年)藤澤武夫(向かって右)と本田宗一郎(1973年)

2001年の初版刊行以来、版を重ねながら熟成を続けてきた本書が、ホンダ創立75周年を記念して〈四訂版〉として刊行。著者が30年にわたり徹底取材を続け、本田宗一郎が「ものづくり」で切り拓いてきた人生を描き切った本格ドキュメンタリーである。働くことの意味、仕事の進め方、発想力の鍛え方、宗一郎流コミュニケーションなど、クルマに興味がある方はもちろん、ビジネスマンや就活学生にもおすすめの決定版といえるだろう。

“おやじさん”。親しみを込めてホンダ社内外の関係者は本田宗一郎のことをそう呼んだ。ある時は怒鳴られスパナが飛んでくることもあったというが、それはクルマと社員に対しての“愛”があったからこそ。そんなエピソードは数多くあるが、そんな氏が育った環境をはじめ、ホンダ創設以前、特にアート商会より前のことについてはあまり語られることはない。本書は子供時代に過ごした浜松でのクルマとの出会いや思い出なども含めて描かれているのは興味深い。

定本 本田宗一郎伝 〈四訂版〉定本 本田宗一郎伝 〈四訂版〉
《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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