ヤマト運輸、国内初のFC大型トラックによる実証実験開始…東京-群馬を夜間往復

ヤマト運輸が実証実験を行うFC大型トラック
  • ヤマト運輸が実証実験を行うFC大型トラック
  • 上野公シニアマネージャー(左)と堰向直彦シニアマネージャー
  • 運転席と荷箱の間にFCスタックを搭載
  • ヤマト運輸が実証実験を行うFC大型トラック
  • ヤマト運輸が実証実験を行うFC大型トラック

ヤマト運輸は5月17日、水素を燃料とした燃料電池大型トラック(FC大型トラック)の実証実験を同日夜から開始するにあたって、その車両を報道陣に公開した。FC大型トラックの実証実験は国内初で、車両はトヨタ自動車と日野自動車と共同開発をした。

「当社は5万台のクルマを所有しており、そのうち2万台をEVに変えていく。主にラストワンマイル領域で集配車が出しているが、この領域だけ取り組んでも、会社全体のカーボンニュートラルにならない。幹線領域でどのように脱炭素を図るか。その試行錯誤の中で、FC大型トラックに注目した。今回の実証実験でカーボンニュートラルの実現に向けて第一歩を踏み出すことができる」とグリーンイノベーション開発部の上野公シニアマネージャーは話す。

実証実験に使用するFC大型トラックは、日野自動車の『プロフィア』がベース車両で、全長11.99m、全幅2.49m、全高3.78m、車両総重量は25tだ。トヨタのFC技術を応用し、大型トラックに最適化したFCスタックを上下に2基搭載。さらに、新たに開発した大量の水素を貯蔵可能とする大型高圧水素タンク(70MPa)を6本搭載している。

「貯蔵した水素と大気中の酸素をFCスタックで水素と酸素の化学反応を起こし、電気を発電する装置に送り込む。そこで発電した電力を基にモーターを稼働させて車両が走行する仕組みになっている」とオペレーションマネジメント部の堰向直彦シニアマネージャーは説明し、環境車と商用車としての実用性を兼ね備えたトラックだという。


《山田清志》

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