フォルビアは、FC EXPO 国際水素・燃料電池展においてフラットな薄型水素ストレージシステムを出展した。近年ほとんどのBEVは床下にフラットなバッテリーパックを搭載しているが、フォルビアの提案は、BEVの車台はそのままにバッテリーと水素ストレージを入れ替えて使えるのではないか、というものだ。
フォルビアは、2022年にフランスのフォルシアがドイツのヘラを買収してできたグループ企業で、世界でもベスト10に入る大手サプライヤーだ。フランス企業ということもあってか、以前から水素ソリューションに注力しており、車載の水素タンクや燃料電池スタックなど幅広い製品を提供している。
今回展示されていたものは、細長い円筒形タンクを横に7本並べ、バッテリーパックのような形状にまとめたコンセプトの製品だ。それぞれのタンクは70MPa(メガパスカル・約700気圧)に対応し、1kgほどの気体水素を充填可能。全体としては約7kgほどの容量を持つ。現行型のトヨタ『ミライ』が約5.6kgなので、それよりも多いことになる。

水素は常温では気体であり、たくさんの量を積もうとすると圧縮する必要がある。ゆえにタンクは圧力に耐えやすい円筒形になるのだが、円筒形だとどうしても車内にデッドスペースができる。四角いタンクにすればいいのではないか、と担当者に聞いたところ「70Mpaという気圧に耐えるためには、この形である必要がある」とのことだった。