プロ仕様の無駄のない使い勝手で仕事環境をサポート、アクティオの「オフグリッドオフィスカー」

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アクティオ 「オフグリッドオフィスカー」ハイエース仕様 バージョン2
  • アクティオ 「オフグリッドオフィスカー」ハイエース仕様 バージョン2
  • ポップアップルーフで車内空間を拡大
  • 2人並んで作業できるデスク。使用しない時は天板を折りたためる
  • バッテリー容量は300Ahから500Ahに大幅アップ
  • リアのサイドウィンドウにはめ込まれたホワイトボード
  • 後方エリアは土足スペースと非土足スペースに分かれている
  • 「オフグリッドオフィスカー」バージョン2の開発を担当した、アクティオ産業機械事業部林業仙台センター長の長澤健太氏

建設機械や重機レンタルの国内最大手として知られるアクティオ。ここ数年、アクティオが注力してきた「オフグリッドオフィスカー」が、従来のバージョン1から新たにバージョン2へと仕様変更され、さらに進化を遂げている。

熱中症や寒さ対策を含めた休憩スペースになるのは無論、広々とした車内環境を生み出すポップアップルーフや、2名が同時にテレワークできるオフィスとしての機能、さらには太陽光パネルとリチウムイオンバッテリーを備えたオフグリッドシステムで安定電源を確保できるなど、移動先で独立したオペレートが可能な仕様となっている。

◆エンジンオフでも電源が利用可能、災害時にも活躍

開発を担当した産業機械事業部林業仙台センター長の長澤健太氏に、話をうかがった。そもそもオフグリッドシステムを搭載したオフィスカーを開発した経緯、あるいはニーズとはどのようなものだったのだろうか。

「当初からコンセプトは“移動する事務所”として、林業などの現場でより快適な仕事環境を提供することが目的でした。背景として、カスタム車両への世間の考え方が変化しより受け入れられやすくなっていることもありましたね。想定されるターゲット層と車両仕様としては、私が元々、林業分野を担当してきたので、現場オフィスとして使ってもらう車というイメージでした。他にも建設業の現場や、高速道路の保守点検といった移動の多い職種の、業務効率化を目的としています」

平時の工事や作業の現場だけでなく、災害時には様々なタスクを掛け持ちする担当者が官民を問わず少なからずいて、高速道路や現場周辺を絶えず移動しているという。

「昨年3月に東北で地震があった時、新幹線が脱線しました。近くにはあまりスペースの広くない道路があるだけでその脇に橋脚が立っているところだったのですが、我々のオフグリッドオフィスカーは前線基地や休憩所として、業務的なサポートはもちろん、スタッフが現場で寝られもするということで、活用していただきました。災害が起きた時には被災現場に近いところで、スタンドアローンの司令拠点としても運用できますので、自治体や企業の方々にも提案しています。オフグリッドシステムを備えている以上、スマートフォンやPCに電力やバッテリーを供給できますし、ドローンなどによる情報収集の拠点にもなります。

2021年の10月、東北で行われた展示会で宮城県の村井嘉浩知事にバージョン1をご覧いただいて、災害時に便利だろうね、という声をいただきました。私たちは災害協定を色々な自治体と結んでいるので、関係者にオフグリッドオフィスカーを紹介しながら知っていただく段階です。オフグリッドオフィスカーがあることで、災害時に担当者が安全を確保しながら、移動しながらでも、拠点として対応できます」

長澤氏は元々、林業分野の営業を担当していたため、開発上の要件や仕様に対する想いとして、東北の現場からの声が多々反映されているという。

「山が現場で、移動が多いことが前提としてありますが、エンジンを止めたままでもエアコンやヒーターを使いたいという要望が強かったのです。寒い、暑いはやはり直接的に働く人に影響するところですので。とはいえ、いざという状況で時々使えればいいわけではなく、平時から使うものである以上、周囲に迷惑がかからない、文句を言われないことが大切です。だからこそソーラーパネルを備えたオフグリッドシステムが必要でした。

オフグリッドシステムにすると近隣からクレームも入らず、スマホやPC機器の充電がエンジンを停めたまま可能ということで、大きな建築現場でもオフィスカーを使う意味、重要性が増してきます。それに空港や基地といった現場に入るのに、可燃物である燃料はもちろん、それを用いる発電機自体がもち込めないがために、オフグリッドが必要という声もありました。加えてオフィスカーであれば、大部屋の休憩所やパーティションで仕切った簡易な空間にはない、プライバシーの確保もできます。それは現場で働く女性のスタッフに、使い勝手の面でも求人という視点でも、貢献する部分です」

◆4WDで悪路もOK、より現場の要望に近づけた改良

とはいえ2WD仕様の『ハイエース』をベース車両としていたバージョン1については、業種や職種によっては、そもそも4WDでないと検討対象にはならない、という厳しい声も寄せられたとか。開発における試行錯誤を進める中で、とくに気を使ったこと、印象的だったことを、長澤氏は次のように語る。

「先のバージョン1を見てもらった感想として、雪や凍結路、雨でぬかるんだ地面がデフォルトだから四駆が欲しい、むしろそうじゃないと厳しいという声が、当たり前のように集まってきました。そこで展示会の後、違うバージョンを作ってみたらどうか? というところから、バージョン2の開発が始まったのです」

駆動方式以外の部分で、バージョン1からバージョン2の改良点は、まずポップアップルーフ。バージョン1では、前側だけが高く持ち上がって最大3名が就寝できたが、よくあるレジャー用キャンパーのように寝泊りを重視するよりは、オフィスとして機能的に使いたいという声が多かった。そこでバージョン2ではルーフ部分が水平に持ち上がる方式となり、オフィス使用時の頭上の圧迫感を和らげつつ、より通風換気にも優れた構造となった。

ポップアップルーフで車内空間を拡大ポップアップルーフで車内空間を拡大

さらにオフィスとして用いられる時間がより長く延びる以上、バージョン2は搭載するリチウムイオンバッテリーの容量を、旧来の300Ahから大幅にアップして500Ahとしている。

「ポップアップして3名が就寝できるスペースを広げるというよりは、昼間にオフィスとして使いたいという要望の方が強かったのです。いわばポップアップしたルーフ内で寝ることはそんなに重要視されていませんでした。逆にバージョン1では、ハイエースの後方スペースがフル装備だったので、むしろバージョン2では要不要を見極めて外していくことが肝心でした。現場からの要望として、全体的にもう少しレンタル料が安ければという声もあり、価格をもう少し抑えて使いやすさに繋がるコストダウンも課題でしたね。そこで外部モニターのような装備をバージョン2ではあえて外しています」

仕事に用いるには、机と座るための椅子があって、横に収納棚が備わっていれば十分、という割り切りでもある。そのためデスクの天板は2名同時にデスクワークが行えるスペースとし、折り畳んだ状態ではコンパクトに収納できる。それでいて、A1フォーマットの図面を展開できるだけの広さをもつテーブルでもある。その反対側には、椅子や図面などを固定できる収納スペースが設けられており、さらに以前ならデッドスペースになっていたリアのサイドウィンドウにはホワイトボードがはめ込まれ、会議に使用することが可能だ。

2人並んで作業できるデスク。使用しない時は天板を折りたためる2人並んで作業できるデスク。使用しない時は天板を折りたためる

「一方で現場では悪天候も多々ある以上、オフィスカーを使用する方々はカッパその他を着けていたりします。高速道路の整備でも山などでチェーンソーを扱う林業従事者でも、装備はかなり重い。ですから手元のスペースが広くとれるよう、また雨雪や泥のついた長靴のままでも上がり込めるよう、スライドドア側のスペースには縞板を敷き、リア寄りのデスクワークで用いる原則的に土足禁止のスペースと分けました」

ちなみに寒暖をしのぐ目安として、500Ah容量のバッテリーはエアコン単体なら9時間ほど駆動できるし、軽油ヒーターを備えることで雪山でも強力な暖をとることができるそうだ。

◆高まる需要、ユーザーの声を活かし開発に繋げる

実際に利用してみたユーザーからは、どのような感想が寄せられているのだろう。

「顧客の声は、営業担当者を経由して拝聴しています。すごくいいよ、といったコメントが多く嬉しいですね。やはり土足/非土足のエリアを分けたところが使いやすいといった、実務部分で評価されている点も含めて。しかも、これをきっかけに他の機材のレンタルに広がっていくケースも出ています。レンタル費用というコストについても皆さん、自治体などの補助金を併用して上手に使われている方が多い印象です。中には工事や作業の現場で用いるだけではなく、コンサル職の方が全国を回るのに使いたい、といった要望も寄せられています」

ところでオフグリッドオフィスカーのバージョン2は、まだ昨年11月から3台が導入されたばかりで、年末年始にかけてずっとフル稼働が続いており、増車配備が待たれる状態だという。

「私どもの元に戻ってきたら、まだすぐ次の予約で出ていく、というありがたい状況です。私自身も増車配備を希望していますが、開発時点でかなりチャレンジングな車両だったことは確かですから。とはいえ、オフィスカーは軽自動車の『N-VAN』や、トイレ付の『NV200』といった車両もありまして、こちら4WDのハイエースは降雪が多く春夏も林業需要の高いエリア、東北や北海道にもっともっと投入していきたいと思っています」

それにしても、ワーケーションやアウトドアのためのキャンパー仕様が、SUVやミニバンのレジャー・ヴィークルでもすっかり定着した今や、遊び用途ではない仕事ツールとはいえ、プロ機材ならではの無駄のないカスタムは、一般ユーザーの興味をも引くのではないか? 長澤氏はこう答える。

「じつは昨年、バージョン2の新車を大分で開催された『森林・林業・環境機械展示実演会』に出展した際、国内の有名なキャンプ用品メーカーさんがかなり興味をもってくれたんです。確かに、今やプロ機材とレジャーの道具の明確な違いは何かと、思いを巡らせるより、区別はなくてもいいのかな? と思います。このハイエースのバージョン2で、キャンプに行ってもいいでしょうし、十人十色の使い方があるでしょうね。おそらく真新しいものなので、なになに? と、興味をもってくれた方が寄ってきて、またさらに色々な使い方を考えてくれるのではないかと思っています」

バージョン2、ひいてはオフグリッド搭載オフィスカーのフリート台数を増やしていくには、顧客に知られることはもちろん、生の声が大事だと、産業機械事業部専任次長の川上修明氏は続ける。

「稼働台数を増やすには、利用されるユーザーの声を集め、開発に活かすというサイクルが必要です。オフグリッドシリーズについては、全体のベース車両も装備についても、バランスを見ながらやっていくところ。今回は長澤の熱い想いが車両開発というカタチに繋がりましたが、全国420か所ある営業拠点の担当者に、こういう車両を作って欲しい、こうしたところが使いづらい、ああすればもっとよくなる、といったフィードバックを寄せてもらうことは、我々の一大関心事です。

あらゆる仕事の現場がカーボンオフセットに向かっている以上、ベース車両がEV化していくことも、もちろんありえます。他方で、ユーザーのカスタム車両に対する抵抗もなくなってきていますし、企業ユーザーの方にも一般ユーザーの方にも、アクティオのカスタムした車が面白いよねと、認知してもらうというか、普通の車のレンタルにはない付加価値を作っていくことが大事だと考えています」

現場の声から作られてくる本格そのもののカスタム仕様だけに、アクティオのオフグリッドオフィスカーはその活躍ぶりから今後の展開まで、注目すべき存在なのだ。

アクティオのオフグリッドオフィスカー詳細はこちら
《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

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